レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

セリフサービス「逆襲?」

2016-03-23 01:29:15 | 小説

セリフサービス「逆襲?」


 直哉はそれを読むと龍之介の耳元で何か囁いた。
 龍之介は黙って頷くと苦労して
やっと出てきた例の店にまた戻るように早足で歩いて行った。 
 そして、
 割れ落ちたガラスを避けるように
例の店の入り口の所に二人は立つと、 
 直哉が龍之介の耳元で、
 「この中に親父たちが隠れているんだよな」
と囁いた。
 「おまえ、
 ここでそのセリフ大声で読めよ!」
 龍之介が直哉の耳元で囁く。
 「中に入った方がいいんじゃないか?」
 直哉はそう小声で主張した。
 「俺はもう中には入りたくないなあ」
 龍之介が中を覗き込みながら小声でそう言う。
 「たしかに」
 「じゃあ」
 「わかった。
 
 というのは冗談(じょうだん)だ!
 そこの親父(おやじ)たち!
 隠(かく)れていないで、
 早(はや)く出(で)てこい」
と、
 直哉が大声で言ったが店の中に変わった様子はなかった。
 「やっぱり、
 中に入るしかないんじゃないか?」
 直哉がそう言うと、
 「最初から
 最後のセリフ全部言い直せよ」
と言って、
 龍之介は店の中をきょろきょろ覗き込んだのだった。

(つづく)




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