レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

サクラナ外伝フォー「似た者同士」

2016-01-06 05:44:24 | 小説

サクラナ外伝フォー「似た者同士」


 その頃、
 例の寿司屋では。
 「大将、あおちゃんのカレー大丈夫なんすかね。
 甘鯛の昆布絞めを、のどぐろの昆布絞め
と間違えるくらいすよ」
と、
 実はあおむが口で言う程、いい舌を持っているワケではないことに
気づいていた弟子のトンペイがそう言うと、
 「いいんだよ。
 それがいいんだよ!
 ケンタも口だけは達者だが、自分の親父と同じでバカ舌だしな。
 なんとなく似た者同士だから、口は合いそうだからな」
と、
 大将はニタニタ笑いながら、二人だけになったのをよしとして、
そんなことを口にした。
 「大将、
 そんなこと言ったら、
 ケンちゃんにまた嫌われすよ」
 「トンペイ!
 俺が言ったって言うなよ。
 いる前で言うほど俺はバカじゃねえぞ」 
 「あっしも、
 いくら、おしゃべりでも、
 そんなことは言えないすよ。
 それに、
 バカ舌はいい過ぎすよ」
 「いいんだよ。
 俺なんか、下手なおじさんだからな」
 「まあ、そうすけど。
 それにしても、あおちゃんのカレーで失敗すると、
 一生、食べなくなるんじゃないすか?」
 「それはそれでしょうがねえが、
 今日の様子だと、ツボは同じだな」
 「ツボすか?」
 「ああ」
 あおむの知らないところで、
 例の寿司屋ではそんなやりとりがされていたのだった。

(続く)

  



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