レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

新本編リメイク「生首とミカエルの仮面」

2015-05-09 00:43:43 | 小説

新本編リメイク「生首とミカエルの仮面」



 「木太郎、さんざん死体は見慣れてるクセに何でそんなにびびるんだよ?」
 木太郎に抱きつかれたエイタが訊くと、
 「あの髪型で気づかないかよ。
 あのミカエルの仮面を被った生首はなあ。ああ、気持ちわりい...」
 木太郎はそう言って、また、エイタに抱きついた。
 「フォフォフォ」
と生首の方から小さな変な声が、また、聞こえてきたからだった。
 「ああ、気持ちわりいー」
 「木太郎、どけよ。
 多分、仮面にあるマイクから声が出てるんだよ。
 だとしたら、
 この辺にまだあのミカエルがいるかもしれないぞ」
 エイタはそう言って木太郎から身体を放す。
 「余計、怖いこと言うなよ」
 「その可能性は高いだすよ。
 ミカエルは携帯電話が通じる道路まで行くにはここを通るしかないことを知っているんだすよ。
 だから、ここで...」
 「わかったから、もう話すな。
 それより、いつきは」
 木太郎は周りをきょろきょろ見回した後、生首を見ないようにして、
倒れているいつきのそばにかがみ、その頬を叩いたのだった。


 「あー...
 ...
 あー...」
 「いつき、怪我ないか?」
 「あー、木太郎か?
 うん、あ、あれは...」
 「見るな! 気持ち悪いぞ」
 「フォフォフォ」
 「ミカエルを倒してくれたのか?
 まさかな」
 いつきはまず上半身だけ身体を起こす
と何か思い出したかのように頭を軽く叩きながら周りをゆっくり見回した。
 「マネキンと何だ?
 この鉄の塊のような人形は?」
 「いつきさんが見に行ったミカエルの仮面を被った人影だすよ。 
 危ないとこだっただすよ」
 あおむが簡単にこれまでのことを説明すると、
 「それで、
 最後にあの生首が落ちてきたのか?」
 「そうなんだすよ。
 ミカエルの挑発かもしれないだすな」
 「うーん?
 でも、どうして、こんなとこで?」
 「わからないだすよ」
 いつきとあおむが話していると、
 「気持ちわるいから、
 さっさと進もうぜ」
と、
 木太郎が言いだした。
 「あの生首、
 確認しないでいいのかよ?」
 いつきが言うと、
 「ミカエルの仮面は被っているけど、髪型でわかるだろう。 
 誰かは。
 それに、
 相当時間経っているから、
 オエー...」
 木太郎はそう言って口に手を当てた。
 「あのミカエルはおばさんか?」
 いつきが言うと、
 あおむもエイタも黙って頷いた。
 すると、
 また、
 「フォフォフォ」
と、
 ミカエルの仮面を被された生首から例の不気味な声が聞こえてきたのだった。

 

(続く)






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