第三弾「戻らない四人」
「おい、まだかよ、あれだけ、
走って戻って来いっていったのになあ、
やっぱり俺が行けばよかったなあ」と
ケンタは落ちつきなく、一人ぶつぶつ言う。
「ケンタくん、大丈夫よ。きっと何か事情があるのよ」
おとなしかったもとめが言う。
「先生が喉渇いたなんていうからね」と
うっかりキミカが愚痴をこぼすと、
「ごめんなさい」と
もとめが謝ると、
「もう、今そんなこと言っててもしょうがないだろう、
おとなしく待とうぜ」と
みはるが言うとみんな頷く。
しかし、ケンタだけは部屋をうろちょろと落ちつかない。
「おい、男だろう。もっと、落ち着けよ」
みはるに言われケンタは頭を掻く。
「ふうたかたまおがいればばなあ、
少しは面白い話しができるのになあ」
「僕じゃだめか」と
みはるが言うと少し笑いが起きる。
「じゃあ、一緒にトイレ付き添ってくれるか」
「この変態野郎」
ケンタの冗談にみはるがそう答えると
笑いがまた起こり、
「たまおやふうたより使えるかもしれないな」と
ケンタが言うとみはるが笑った。
「そう言えば、
ハッピーエンドのカミサン伝説の
主人公の名前ってケンタじゃなかったっけ」って
みはるが言うと、
「何言ってんだよ。主人公は犬だろうが」
「だから、ケンタだって言ってるだろう、
違うのか」
「ケンタって犬だったかもしれないわね」と
もとめが笑って言うと、
「ひでえ、先生まで」と
ケンタがわざとむくれた顔で言うと笑いが起こる。
「で、先生、本当はなんていう名?」
「だからケンタだって言っただろうが男のクセにしつこいな」と
みはるが言うと、
「本当ですか、先生」
「ケンタかケンケンかそんな名前だったわね」
「ひでえ、ケンケンとケンタでは大違いだよ。
誰か頼むから思いだしてよ」と
ケンタが今度は真面目な顔で言うとみんな笑う。
こうして、ケンタ、みはるそしてもとめが
みんなの不安感を少しでも和らげようと努力していたが、
四人はまだ戻って来なかった。
(続く)
「おい、まだかよ、あれだけ、
走って戻って来いっていったのになあ、
やっぱり俺が行けばよかったなあ」と
ケンタは落ちつきなく、一人ぶつぶつ言う。
「ケンタくん、大丈夫よ。きっと何か事情があるのよ」
おとなしかったもとめが言う。
「先生が喉渇いたなんていうからね」と
うっかりキミカが愚痴をこぼすと、
「ごめんなさい」と
もとめが謝ると、
「もう、今そんなこと言っててもしょうがないだろう、
おとなしく待とうぜ」と
みはるが言うとみんな頷く。
しかし、ケンタだけは部屋をうろちょろと落ちつかない。
「おい、男だろう。もっと、落ち着けよ」
みはるに言われケンタは頭を掻く。
「ふうたかたまおがいればばなあ、
少しは面白い話しができるのになあ」
「僕じゃだめか」と
みはるが言うと少し笑いが起きる。
「じゃあ、一緒にトイレ付き添ってくれるか」
「この変態野郎」
ケンタの冗談にみはるがそう答えると
笑いがまた起こり、
「たまおやふうたより使えるかもしれないな」と
ケンタが言うとみはるが笑った。
「そう言えば、
ハッピーエンドのカミサン伝説の
主人公の名前ってケンタじゃなかったっけ」って
みはるが言うと、
「何言ってんだよ。主人公は犬だろうが」
「だから、ケンタだって言ってるだろう、
違うのか」
「ケンタって犬だったかもしれないわね」と
もとめが笑って言うと、
「ひでえ、先生まで」と
ケンタがわざとむくれた顔で言うと笑いが起こる。
「で、先生、本当はなんていう名?」
「だからケンタだって言っただろうが男のクセにしつこいな」と
みはるが言うと、
「本当ですか、先生」
「ケンタかケンケンかそんな名前だったわね」
「ひでえ、ケンケンとケンタでは大違いだよ。
誰か頼むから思いだしてよ」と
ケンタが今度は真面目な顔で言うとみんな笑う。
こうして、ケンタ、みはるそしてもとめが
みんなの不安感を少しでも和らげようと努力していたが、
四人はまだ戻って来なかった。
(続く)