レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

第三弾「戻らない四人」

2009-03-19 14:27:02 | 小説
第三弾「戻らない四人」

 「おい、まだかよ、あれだけ、
走って戻って来いっていったのになあ、
やっぱり俺が行けばよかったなあ」と
ケンタは落ちつきなく、一人ぶつぶつ言う。
 「ケンタくん、大丈夫よ。きっと何か事情があるのよ」
おとなしかったもとめが言う。
 「先生が喉渇いたなんていうからね」と
うっかりキミカが愚痴をこぼすと、
 「ごめんなさい」と
もとめが謝ると、
 「もう、今そんなこと言っててもしょうがないだろう、
おとなしく待とうぜ」と
みはるが言うとみんな頷く。
 しかし、ケンタだけは部屋をうろちょろと落ちつかない。
 「おい、男だろう。もっと、落ち着けよ」
みはるに言われケンタは頭を掻く。
 「ふうたかたまおがいればばなあ、
少しは面白い話しができるのになあ」
 「僕じゃだめか」と
みはるが言うと少し笑いが起きる。
 「じゃあ、一緒にトイレ付き添ってくれるか」
 「この変態野郎」
 ケンタの冗談にみはるがそう答えると
笑いがまた起こり、
 「たまおやふうたより使えるかもしれないな」と
ケンタが言うとみはるが笑った。
 「そう言えば、
ハッピーエンドのカミサン伝説の
主人公の名前ってケンタじゃなかったっけ」って
みはるが言うと、
 「何言ってんだよ。主人公は犬だろうが」
 「だから、ケンタだって言ってるだろう、
違うのか」
 「ケンタって犬だったかもしれないわね」と
もとめが笑って言うと、
 「ひでえ、先生まで」と
ケンタがわざとむくれた顔で言うと笑いが起こる。
 「で、先生、本当はなんていう名?」
 「だからケンタだって言っただろうが男のクセにしつこいな」と
みはるが言うと、
 「本当ですか、先生」
 「ケンタかケンケンかそんな名前だったわね」
 「ひでえ、ケンケンとケンタでは大違いだよ。
誰か頼むから思いだしてよ」と
ケンタが今度は真面目な顔で言うとみんな笑う。
 こうして、ケンタ、みはるそしてもとめが
みんなの不安感を少しでも和らげようと努力していたが、
四人はまだ戻って来なかった。
(続く)
  

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