新作ディープ（？改）レイカ編Ａ１１０「難題」

新作ディープ（？改）レイカ編Ａ１１０「難題」


　新作ディープ（？改）レイカ編４６「もとめの選択」に続くＡ編です。


　木太郎は決断した後、気長に体調の回復を待った後、
　退院後すぐに自宅に戻ると、
　そのときに自宅まで病院から車で送ってくれた第一秘書に、
　既に内閣総理大臣に就任していた実父に対し、
　遅れながらも収入祝いと退院報告、
　そして、それまでのお礼をするため、二人だけで会いたい
と申し入れたのだった。
　だが、
　実父からはその申し入れを待っていたかのように、
　翌日早々に退院祝いの品が、
　退院おめでとうとの儀礼的言葉と共に、
　就任祝いやこれまでの例などとは実の親子だから不要で、
今は総理就任早々で時間が取れないから、しばらく待って欲しい
旨の、
　実父の秘書が内容をパソコンで書きプリントアウトされた
と思われる文書が添えられていたのである。
　その文章を読んだ木太郎は、
　実父が、彼を可愛がっている祖父や実母を通じてではなくではなく、
その秘書に二人だけで会いたい
と伝えてしまったことから、木太郎の意図を察してしまったと後悔すると共に、
　実父と直接会うことも下手に文章で訊けない
という難題に直面していたのであった。

（続く）