サクラナ外伝フォー「普通の美少女？と意地悪？ウメナ」

サクラナ外伝フォー「普通の美少女？と意地悪？ウメナ」


　そして、
　ウメナは幼い美少女が持っていた赤い涙石のような石
と拾ったばかりの６つの涙石のような石を自分で並べてから
しばらくじーっと見ていたが、
　また、首を横に振り、
その美少女に赤い涙石のような石を手渡したのだった。
　「おねえちゃーん、やっぱりダメ．．．」
　その幼い美少女が残念そうに言うと、
　ウメナはにやりと笑って頷いたのだった。
　「ウメナも意地悪だすなあ。
　交換してあげればいいだすのに。
　僕が行くだすかな」
　「あおむさん、もう少し待ちましょう。
　多分、あの子、普通の女の子で虹の妖精じゃないですよ。
　ウメナさんも気づいているんですよ」
　「だすが、かわいそうだすよ。
　涙石というのはこういうときにあげるべきだすよ。
　僕も何の見返りもなしに昔貰っただすからなあ」
小声で百合に言ったとき、
　ウメナが、
　残念そうな表情のまま、地面の上に並んだ残りの１３個の石を見ながら、
まだ諦めきれずにしゃがみ込んでいる幼い美少女に向かって、
小さな右手を握ってつきだしたのだった。
（続く）