カミサン伝説19三部作改「身代わりの像編9」
マジメは、
「そのヨクオさんとか言う人って、悪い人なんですよね」
「そう、
昔兄貴から聞いた話では相当悪かったらしいが、
今回のことでよくわかったよ。
それに、
もとえ姉さんの腹違いの弟と戸籍上はなっていても、
本当は血はつながってないらしい」
かおむが言うと、
「そうか!
弟なのに弟じゃないんだな」
アホの龍之介がわかったようなことを言う。
「ちょっと、静かにしててね。
すいません。
この人、ちょっと、とんちんかんで」
「いや、そのとおりで、法律上は弟なんだけど、
実際は弟じゃないんだ」
「どうだ、まいったか!」
龍之介は偉そうに言うが、
かおむはもうよくわかったようで、
龍之介を無視して話しを進める。
「マジメさん、ヨクオが悪い奴だと、
何で、兄貴が助かるんだ?」
「カミサン伝説です」
「ああ、さっき教えてもらった話しに秘密があるのか」
「ええ」
マジメはそう言って頷くと、
意識を失って寝ているあおむの方を見た。
(続く)