レイジーブラザース「アホでもわかるトリック?」
「あほ!」
ウメナはサヤの方を見て、
動画を巻き戻せ
というように両手を動かした。
「もう一回再生ね」
「そうだすな。
死体が突然消えるはずはないだすからな」
「そう言えば、そうだな」
「うん」
双子と永久はスローで巻き戻されてる動画
をじっくり見つめた。
「あほ!」
ウメナの声を聞いて、
その瞬間、
サヤがリモコンの一時停止ボタンを押した。
「あほ!」
ウメナの声を聞いて、
今度は、
サヤはスロー再生すると、
一瞬だが、画面が暗くなった。
「あほ!」
「ああ、そういうことだすか?」
「うん?」
「合成だすよ。
みはるが消えたところに、
誰もいないこの応接室を写した動画
を上書きしただけだすよ」
ウメナ、
サヤに続いて、
あおむもみはるが消えたトリックに気づいた。
「だとしたら、
みはるは死んでいたフリしてたんだな?」
木太郎がそう言うと、
「何だ! 俺の思ったとおりだぞー。
つまらねえな」
「いたずらかあ、
また、ゲームやろう」
と、
龍之介と直哉はそれぞれ言って、
またアクビをしながら、部屋に戻ろうとした。
だが、
「そうとも限らないわよ」
と、
サヤが言ったとき、
双子たちは
ガラスの向こうから、
こちらに向かってくるもとこたち
を見つけたのだった。
(続く)