サクラナ外伝フォー「７色のアルバム」

サクラナ外伝フォー「７色のアルバム」


　「６冊ね？
　オレンジのアルバムは新婚旅行．．．
　次は．．．．．．」
　サクラナはぶつぶつ言いながら、あおむとは違って、
ゆっくりと６冊のアルバムを確認していった。
　「おー！
　こっちは気がつかなかっただすなあ。　偶然だすかな？」
　あおむはサクラナがまだ病室へ持っていた以外の残りの６冊のアルバム
を見終えていない間に、また、別のことに気づいたような言い方をした。
　そして、
　１時間くらいして、
　ようやく、
　「あたしもわかった。
　あおくんはやっぱり頭いいのね」
と、
　サクラナが言うと、
　「もうひとつもわかっただすか？」
　あおむは、
　また、
　にやっと笑って言ったのだった。
　「もうひとつ？
　初恋の意味でしょ？
　．．．
　あー、
　さっきのアルバム入れると全部で七色ね。
　それも、
　涙石と同じ色ね。
　不思議よねえ。
　あおくんのもうひとつって、
　そのこと？
　それとも、
　初恋の意味？」
とだけ、
　サクラナはあおむに訊くというより、つぶやくようにぼそぼそ口走った後、
　「そういう意味なのね」
と、
　ウメナの叔父が口にした初恋の意味も理解できたような言い方をしたのだった。

（続く）