「椅子クソ兄弟再登場！逆サクラあおむの探偵ごっこ」「偽造された？２通の遺言書」

「椅子クソ兄弟再登場！逆サクラあおむの探偵ごっこ」「偽造された？２通の遺言書」



　「兄貴わかったぞ!
  戸籍とは別の話をするからな。
　まず、
　この家の今の名義のマツゾウとその先妻の間に出来た子がマツメさん、
　マツゾウと後妻の間に出来たのがタケノ、
　先妻と他の男の間に出来たのが、
　ウメナさん。
　後妻と別の男の間に出来たのがサルエだ」
　「そういう考え方もあるだすなあ」
　「しかし、
　マツゾウは、ウメナさんもサルエも自分の子だ
と思いこんでいた」
　「それでどうなるんだすか」
　「マツゾウは後妻の方を愛していたので、
　そう騙されたまま、
　後妻の子だけに遺産を残した」
　「２通目の新しい方の遺言書も
マツメさんとウメナさんには遺産をほとんど渡さず、
　ほとんどの遺産がタケノとサルエに行くようになっていたから、
　２通の遺言書が本物だと考えれば、
　そうも見えるだすなあ」
　「だけど、
　サルエの行動を考えると、
　それもおかしなことだな。
　２通目が本物なら、
　サルエがあそこまで追い込まれる必要はないからな。
　サルエはタケノとも戸籍上は姉妹だから、
　結局、
　サルエが一番遺産を受け取れるわけだからな。
　サルエがああいう行動をしたということは、
　後から出てきた遺言書も偽造だったということになるな？」
　「少なくとも、
　サルエはそう考えていたということになるだすかなあ」
　「うーん、
　そうすると、本物の遺言書はどこかにあるのかもしれないな」
　「さあ．．．」
　「じゃあ、
　２通目の遺言書を本物と勘違いしたのがサルエと組んでいた犯人か？
　だとすると．．．
　あれっ？
　タケノが死んだ以上、
　戸籍上は、
　マツメさんもウメナさんも、
　二人ともタケノとは半姉妹姉妹だから、
　タケノの遺産は
マツメさんとウメナさんに平等に行くからなあ？
　２通目の遺言書を本物だと思っていたのなら、
　サルエと組んでもあまり意味がないよなあ？
　いずれにせよ、
　サルエの取り分が一番多くなるからなあ」
　かおむはそう言ってから腕を組むと、
　また、
　自分で書いた家系図を見直した。
（続く）