レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

新作ディープ(?改)「難航するパスワード探し」

2015-06-07 01:32:53 | 小説

新作ディープ(?改)「難航するパスワード探し」

 
 ホウセイが最初に素早く打ち込んだパスワードは、
 なんと、

 「木太郎とホウセイ以外」

だった。
 しかし、
 不正解のためファイルは解凍できなかった。
 「あのなあ、いくら漢字とかのパスワードも可能だからって、
 ありえないだろ...
 それに、
 自分で、
 永久に、
 パスワードは小文字のアルファベットだけのような説明してたじゃないか」
と、
 木太郎が鼻をほじりながら呆れたような感じで言うと、
 ホウセイは、
 「今のは試し。
 覚えているか、
 もとこの最初のテストの問題。
 

 今回、
 選抜された10人の生徒の中で、
 不合格となると思う生徒のフルネームを漢字で書いて、
 その理由を簡潔に書きなさい


だったよな。
 で、俺が答えた人物というか解答がそれだから、
 試しに入れただけだよ」
と、
 ホウセイが笑いながら話すと、
 「あー、
 そういうことか。
 でも、
 俺も同じ解答だったぞ。
 ということは...」
 木太郎はホウセイの話しを訊くと、
 急に鼻をひくひくさせながら、
 股間を掻きながら何か考え始めたのだった。
 それとは、対照的に、
 永久は、
 「あのさあ、
 その問題の解答としては、
 二人とも不正解じゃないのか。
 書くのは、
 漢字で、
 しかも、
 フルネームだぞ」
と、
 永久が深い考えもなしに言うと、
 「そうか!」
と、
 ホウセイは声をあげると、
 また、
 そのファイルの解凍画面のパスワードを入力するところに、
 文字を打ち込んでいったのだった。


 ホウセイが次に打ち込んだパスワードは、

 mizukikitarouturumakehousei

という、
 木太郎と自分のフルネームをアルファベットの小文字に直したものだったが、
 ホウセイの閃きとは裏腹に解凍できなかった。
 「アルファベットに拘らず、
 漢字でいいんじゃないか」
 永久がそう言ったので、
 「そうか。
 もとこのことだから、

 test.zip

は罠かもな。
 よし、
 漢字で入れるぞ」
 ホウセイは、
 今度は、

 観月木太郎鶴負ホウセイ

と、
 二人のフルネームを入れたが、
 また、解凍できなかった。
 「ホウセイがカタカナだからじゃないか?」
と、
 今度は木太郎が鼻をほじりながら言うと、
 「しょうがないだろ。
 本名なんだから」
と、
 ホウセイが言うと、
 「だから、
 もとこの問題は、

 今回、
 選抜された10人の生徒の中で、
 不合格となると思う生徒のフルネームを漢字で書いて、
 その理由を簡潔に書きなさい

だろ。
 ホウセイのところを適当な漢字をあてて、入れてみろよ」
と、
 永久がまた自分の意見を言うと、
 「問題にこだわるなら、理由もいるんじゃないか?」
と、
 木太郎が自分の意見を言いだしたので、
 「じゃあ、
 俺が解答を書いたとおり、そのまんま試しに入れてみるか」
と言って、
 ホウセイは、

 木太郎とホウセイ以外ということしかありません。
 理由はやる気が違うからです。

と、
 自分の解答を思い出して打ち込もうとしたが、
 今度は、文字数オーバーで、全部入力できなかった。
 「ダメだ...」
 ホウセイはそこで考え込むと、
 「本当の正解を入力しないといけないんじゃないか?」
と、
 永久がまた新たな意見を言いだしたのだった。

(続く)




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