新「ミケーレの蒼き仮面」第五章１９４
ラーメンの機嫌が急によくなったのを見て、
あのジンがやっつけられて、なんとなく気分のいいウトーが、
アニーの耳元で、
「また、ラーメンを怒らせるような名前だったら面白いねえ」
と面白半分に言うと、
「ラーメンにギョウザの後か？
うーん？
乳女の一族だからなあ？」
アニーもそう思いつつも今度は平凡な名前に違いないと思って、
それだけウトーに囁き返すと、
肺女に尋問されたもう一体の妖精が、
「私は乳女メンマと申します」
と答えた瞬間、
「てめえら！
やっぱり、俺をバカにしてるな！
ギョウザにメンマなんて、あるか！
俺がジンより弱い海王だからって、
なめやがって！」
と、
さっき以上にラーメンが怒り出したので、
「偶然よ。
乳女の一族にそんな度胸ないわよ。
ラーメン、あんた、やっぱり、その名前にコンプレックスあるんじゃないの？
じゃなきゃ、そんなにムキになって怒ることじゃないでしょ」
と、
肺女ハイジは今度は違う言い方で、ラーメンの怒りを静めようとした。
さらに、
サギーが、
「肺女だって、この不細工な姿でハイジなんだぞ。
で、俺は別に詐欺師でもないのに、サギーなんだから、
名前のことでムキになるなよ。
冷静さを欠く強くても、元四天王に勝てなかったんだぞ！
いいか、すぐ怒るのがラーメンの悪いところだ。
パティみたいに穏やかじゃないと、救世主はおろか、
王の資格もないから、もう黙ってろ」
と、
ラーメンを叱りつけるように言うと、
「ラーメンの負けみたいだね」
「ああ、パワーだけじゃなく、その短気な性格も直した方が、
海王として君臨するにはいいと思うよ」
ウトーとアニーまでそう言われてしまったので、
ラーメンは急におとなしくなると、
「そうかもしれないな．．．」
それだけ言って、黙り込んだのだった。
ラーメンがようやく静かになったので、
ようやく、妖精２体の尋問が始まることになったのだった。
（続く）
