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サミット退陣論

2015年11月30日 | 秋ネタ

永田町に奇妙な情報が流れている。安倍晋三首相が来年5月の伊勢志摩サミットを花道に勇退するという「サミット退陣論」だ。

 にわかには信じがたい。首相は2か月前に自民党総裁選で無投票再選され、2018年まで3年間の総裁任期を得たばかり。安保法制の強行採決で落ち込んだ支持率も回復基調にある。そんな総理大臣になぜ、早期退陣論が浮上するのか。

 穏やかではないのは、この情報が自民党の非主流派ではなく、政権中枢を発信源としていることだ。官邸に近い政界関係者の話である。

「総理の最側近の1人が、最近、『万が一、安倍総理の体調に異変があった場合は』という前提で政局の流れを検討している。ポイントは、総理に無理をさせて来年の参院選を戦うのではなく、サミット議長として外交成果をあげたところで体力的にも政治的にも余力を残して身を退き、次の政権への影響力を行使するというシナリオだ」

 確かに、潰瘍性大腸炎という持病を抱える安倍首相の体調が万全とは考えにくい。本人は否定しているが、体調悪化情報がしばしば報じられた。

 この秋以降、官邸や自民党執行部は負けるはずがない総裁選で対立候補の野田聖子氏を出馬させないように圧力をかけ、野党が要求する臨時国会も開こうとしない。その理由が、「周囲が首相の体力消耗を心配した」というのは党内では根強く囁かれている見方だ。

国民にとって気になるのは、安倍首相の政治的意欲に明らかな減退が見られることだろう。

 政権発足当時と違い、今回のアベノミクス「新・3本の矢」のうちの2つ、「介護離職ゼロ」「希望出生率1.8」は経済的インパクトがゼロ。11月6日の自民党総務会では、「こんなスローガンでは参院選を戦えない」と批判があがった。

 真骨頂の強気の外交姿勢もすっかり影を潜めた。安倍首相が「完全解決済み」の立場をとってきた慰安婦問題では、日韓首脳会談を機に日本政府が韓国人元慰安婦に対して財政支援を行なう案がにわかに浮上し、首相支持派のタカ派議員も驚きを隠さない。

「日本政府が何らかの形で補償するなど安倍さんの従来の考え方とあまりに違う」(日本会議国会議員懇談会メンバー)

 経済も外交も気力も充実していた3年前の再登板当時とはまるで別人のようだ。安倍首相の無気力が、体力の限界から来るものとすれば、側近が万が一に備えた退陣シナリオを準備しているのは不思議ではない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が語る。

「安倍首相の勇退説は荒唐無稽とはいえない。来年の参院選は自民党に逆風という見方が強い。安倍首相はこれまで3回の選挙で大勝しているから、結果が大敗ではなく微妙な議席数であっても、その後に勇退すれば引責と見られて退陣後の発言力が小さくなる。影響力を残すために参院選前のサミットを花道にするというのは永田町ではありうる考え方です」



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