これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

クリスティーに染まる夏

2018年07月26日 21時24分35秒 | エッセイ
 先日、図書館でアガサ・クリスティーのポワロシリーズをごっそり借りてきた。
 特に思い入れもないのに「この夏はクリスティーを読むぞ!」と決めた。横溝正史ほど陰気ではなく、赤川次郎ほど軽いノリでもなく、ほどよく異国情緒が感じられて好きだ。
 映画のチケットもいただいた。2017年12月に公開された超有名作品『オリエント急行殺人事件』が、1日だけ上映されるというので申し込み、幸運にも手に入れることができた。



「映画を見るなら、原作は読まなくていっか~」
 1冊くらいは楽をしても問題あるまい。うひひ。
 さて、この映画、キャストがなかなか豪華である。ジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、ミシェル・ファイファー、ウィレム・デフォーは、映画通でない者にもわかる。人件費がかさんでいるな、というのが第一印象だ。オリエント急行の車内や風景にも違和感がなかったので、大道具やロケ地などにも金をかけているのだろう。チャチな映画じゃなくてよかった。
 しかし、ジョニー・デップには驚いた。「よくこんな役を引き受けたな!」と呆れるくらい、イヤなイヤ~なクズ野郎なのだ。ゴミ野郎、クソ野郎の方が合っているかもしれない。しかも、それが板についているところに感心する。俳優ってスゴいなぁ。
 ところで、私は寝台特急に乗ったことがない。夜行バスに客をとられていても、サンライズ出雲、サンライズ瀬戸といった列車は運行しているようだ。個室のベッドで横になり、目が覚めたらあとちょっとで目的地、というのもエキサイティングである。機会があれば乗ってみたい。
 体験談を読むと、パジャマは準備されているのに車内販売はないらしい。食料や飲み物は乗る前に購入し、シャワーカードもゲットして、快適な列車の旅を楽しめたらよいのだが。
 話を元に戻そう。その快適なオリエント急行の車内で客の一人が殺される。刃物で胸などを10カ所以上刺されたのだ。犯人は一体だれ?
 結論からいうと、この謎解きに納得してもう一度見たいと思う観客は少ないだろう。「ええ~?」とか「そんなんありか~?」と消化不良を起こすような気がする。私も「違う結末がよかった」とは感じたが、久々の映画だったし、クラシックな列車の旅に魅了されていたから、全体としては満足したようだ。
 さきほど読み終えた『アクロイド殺し』も、キツネにつままれたような結末が待っていた。もちろん、伏線は随所に散らばっているのだが、相応の読解力がないと気づかずに通り過ぎてしまう。1冊目の『スタイルズ荘殺人事件』も完全な理解はできなかったから、これは読者である私の責任か?
 クリスティーって、難しいんだなぁ!
 負けずにメゲずに、3冊目を読みますよ。


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10 コメント

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ほほぉ~ (ZUYA)
2018-07-26 22:20:29
そんなリメイク版が在ったとは~

私はショーン・コネリーも出ていた1974年の映画が鉄板です~

意外なのは砂希先生は寝台列車の経験がないとは~

私は結構乗りましたよ~
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アガサ・クリスティー (ヤッギー)
2018-07-27 07:06:43
私はアガサ・クリスティーのファンでNHKで放送された名探偵ポワロを欠かさず見ていましたよ。

アクロイド殺人事件は確かに消化不良な結末でしたね。
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昔から推理小説は好きでした。 (鹿島田の純)
2018-07-27 07:15:22
基本的に本はあんまり読まないんですが、星新一と推理小説だけは読んでいて松本清張だけは大体全部(母が好きで家には松本清張だけで百冊以上あります)アガサ・クリスティは私も1974年のを私も見ましたが、(試写会が当たったので)それ以外はあんまり知りません。(笑)しかし、オリエント急行殺人は予想外の意外な結末で驚いたのでよく覚えています。
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【映画】 (心機朗)
2018-07-27 18:34:15
昔は『水曜ロードショー』だか『金曜ロードショー』だかでよくアガサ・クリスティの作品を見ました。が、あんまり覚えていないもんですね。近年、野村萬斎がポアロみたいな探偵を演じたスペシャルドラマを見ましたが、「そういえば、こんなだったな」ってカンジです。
僕は子供の頃に寝台特急に乗りました。上野着の夜行列車・・・ってことになるのかな?座席をベッドにする過程はほんとワクワクものでしたね。
この夏、映画は『コード・ブルー』観たいと思ってます。、あと、話題の『カメラを止めるな』かな。口コミで人気が出て、僕の行ける映画館でも上映が決まりました。ポスターに写っている女優(秋山ゆずき)さんを応援しているので、コレは観たい。砂希さんも是非。
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寝台車 (砂希)
2018-07-28 13:20:00
>ZUYAさん

寝台車は合理的ですよね。
本来、寝ている時間を移動に使うんですから。
昔の車両は寝心地が悪かったようですが、今は快適になったと聞きます。
経験がないので説得力ないけど。
ショーン・コネリーが出ていた映画だったんですね。
見てみたいわぁ。
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NHK (砂希)
2018-07-28 13:22:17
>ヤッギーさん

映画はわかりやすかったです。
しかし、小説は自分で理解しないと意味不明のままで終わります。
脚本家の読解力に敬意を払いたいです。
テレビで放映されていたんですね。
私も見ればよかったわぁ。
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松本清張 (砂希)
2018-07-28 13:26:55
>鹿島田の純さん

推理小説なら読めるという人は多いですね。
人間の心理なんでしょうか。
だれが犯人なのか知りたくて、最後まで読んじゃいます(笑)
お母様が松本清張を好んだ理由は何だったのかしら……。
悪くないけど、時代背景が違い過ぎて、納得できない部分も。
読書メーターというSNSでは、クリスティーを楽しめて当然という書き込みが多かったです。
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私も (砂希)
2018-07-28 13:33:44
>心機朗さん

私も地上波の映画は結構見ていました。
クリスティーもあったのかしら。
キャストが日本人ばかりだったので、なかったと思うのですが。
見たい映画があるっていいですね。
わくわくします。
『コード・ブルー』はブロ友さんがこの天気の中見に行くと言っていました。
人気あるのかな。
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読書三昧の夏 (白玉)
2018-08-06 20:11:59
いいですね。
私ほとんど読んでないので、機会があったら。
名画のリメイク、豪華キャストだとお得感ありますね。
寝台列車で旅したいけど、今まで叶いませんでした。
老後、どこかに行けたらいいな。
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ジョニデ (砂希)
2018-08-06 20:37:43
>白玉さん

実は、サッカー合宿で自由時間に読書タイムがとれると思っていたんですよ。
浅はかでした。
自由時間自体がありませんでした(泣)
ジョニー・デップを見ると長瀬智也を思い出します。
顔の造りが似ていません?
どちらもハンサムですからね。
今度は楽しい映画を観たいです。
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