![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/18/b2b19eb2db2595e3407c99e2498c999f.png)
小松菜を洗っていたら、虫食いを発見した。
「もしや」とビクビクしながら中を見ると、案の定、小さな青虫が隠れている。「わぁ~!!」と叫びそうになった。虫のいる野菜は安全というが、何度見ても心臓に悪い。
あれは、中3のときだったろうか。
給食の配膳当番だったので、同じ班のクラスメイトと一緒に、料理の盛りつけをしていた。私が担当したのは生野菜だ。小さくカットされた、レタスやキュウリなどをトングで挟み、トレイに載せていく。配る量が多いと足りなくなるし、少ないと余ってしまう。汁物ほど大変ではないが、1本ずつ載せればいいだけのフランクフルトよりは難しい。
だが、帳尻合わせは、私の得意技のひとつである。頭の中で割り算をしながら、いいペースで配れたので、残ったのは容器の底にへばりついたレタスだけ、と思っていた。
しかし、このレタス、なぜかモゾモゾと動くではないか。
次の瞬間、殻を脱ぎ捨てたカタツムリのように、青虫がレタスの下からはい出て、全身をあらわした。
!!!!!
体長5cmほどだったろうか。唐突に出没した大きな青虫に仰天し、悲鳴すら出なかった。
反射的にフタを閉め、私は隣の生徒に声をかけた。
「……ねえ、この中、見てみない?」
「え? なんで?」
彼女は、いいとも悪いとも答えなかったが、開けたフタにつられて中をのぞいた。
「ヒッ」と息を呑む声が聞こえてくる。人は、本当に驚くと、大きな声が出ないものらしい。2人で顔を見合わせ、オロオロするばかりだった。
まもなく、「いただきます」の号令がかかり、誰もが笑顔で食べ始める。もはや、手遅れだとわかり、罪悪感が胸に広がっていく。
「一応、先生に言っておく?」
「うん、そうしよう」
少しでも、罪の意識を軽くしたくて、担任の先生に青虫を見せた。ところが、理系のオトコはまったく動じない。
「ああ、いるね。さあ、笹木たちも早く食べなさい」
「……はい」
別に虫を食べるわけではないのだが、私も彼女も、野菜には手をつけなかった。でも、チラと担任を見ると、何事もなかったかのように、レタスを口に運んでいる。
これくらい、図太くなりたいものだと、尊敬するばかりだった。
小松菜の青虫を流すと、私は体勢を立て直した。
サッと茹で、小さく切って辛子醤油をかけると、ピリッとしたお浸しができる。
「これ美味しい」と家族からも好評だ。もちろん、青虫がいたことは口にしない。
私も、迷わず箸を伸ばし、ツンとする辛子と小松菜のコンビネーションを味わう。
ちょっとは、成長したかな!?
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「もしや」とビクビクしながら中を見ると、案の定、小さな青虫が隠れている。「わぁ~!!」と叫びそうになった。虫のいる野菜は安全というが、何度見ても心臓に悪い。
あれは、中3のときだったろうか。
給食の配膳当番だったので、同じ班のクラスメイトと一緒に、料理の盛りつけをしていた。私が担当したのは生野菜だ。小さくカットされた、レタスやキュウリなどをトングで挟み、トレイに載せていく。配る量が多いと足りなくなるし、少ないと余ってしまう。汁物ほど大変ではないが、1本ずつ載せればいいだけのフランクフルトよりは難しい。
だが、帳尻合わせは、私の得意技のひとつである。頭の中で割り算をしながら、いいペースで配れたので、残ったのは容器の底にへばりついたレタスだけ、と思っていた。
しかし、このレタス、なぜかモゾモゾと動くではないか。
次の瞬間、殻を脱ぎ捨てたカタツムリのように、青虫がレタスの下からはい出て、全身をあらわした。
!!!!!
体長5cmほどだったろうか。唐突に出没した大きな青虫に仰天し、悲鳴すら出なかった。
反射的にフタを閉め、私は隣の生徒に声をかけた。
「……ねえ、この中、見てみない?」
「え? なんで?」
彼女は、いいとも悪いとも答えなかったが、開けたフタにつられて中をのぞいた。
「ヒッ」と息を呑む声が聞こえてくる。人は、本当に驚くと、大きな声が出ないものらしい。2人で顔を見合わせ、オロオロするばかりだった。
まもなく、「いただきます」の号令がかかり、誰もが笑顔で食べ始める。もはや、手遅れだとわかり、罪悪感が胸に広がっていく。
「一応、先生に言っておく?」
「うん、そうしよう」
少しでも、罪の意識を軽くしたくて、担任の先生に青虫を見せた。ところが、理系のオトコはまったく動じない。
「ああ、いるね。さあ、笹木たちも早く食べなさい」
「……はい」
別に虫を食べるわけではないのだが、私も彼女も、野菜には手をつけなかった。でも、チラと担任を見ると、何事もなかったかのように、レタスを口に運んでいる。
これくらい、図太くなりたいものだと、尊敬するばかりだった。
小松菜の青虫を流すと、私は体勢を立て直した。
サッと茹で、小さく切って辛子醤油をかけると、ピリッとしたお浸しができる。
「これ美味しい」と家族からも好評だ。もちろん、青虫がいたことは口にしない。
私も、迷わず箸を伸ばし、ツンとする辛子と小松菜のコンビネーションを味わう。
ちょっとは、成長したかな!?
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
虫は苦手ですね。
毛虫じゃないだけましですが、これから食べるものにいるのはちょっと…。
清潔志向が行き過ぎているのでしょうか。
アゲハの幼虫なら飼ったことがあります。
手の上に載せて遊んだりしました。
差別かもしれませんね…。
慣れがないと思います
男性でも嫌がる人が多いですね
農家からいただくことが多く、
自分では滅多に野菜を買いませんが
いつも、何かしら野菜が余るほどあります
よく洗わずに調理なさる人が信じられません
…あ、ご主人…たしか…
えっ、サラダ菜に虫がウヨウヨ??
それはトラウマですねぇ。
私は、ほうれん草にアブラムシがびっしりいたとき、倒れそうになりました。
母が作った自家製だったので、しょうがないんですけどね。
白い卵がビッシリっていうのもダメです…。
以前サラダを作ろうとしたらサラダ菜に虫がうようよといたのを思い出しました。
それ見たらサラダ菜が食べれなくなりましたよ~。
ひょっとして、コメが全部入りませんでしたか??
どうも、顔文字の途中でブツリと切れる傾向があるようです。
何回かご指摘を受けました。
申し訳ありません。
取れたて野菜を食べられるなんて、非常にぜいたくな環境なんですね。
羨ましい。
なめくじは盲点でした。
たしかに、葉っぱ系にはいますが、我が家に到着するころには大抵ひからびています。
これは、殻のないエスカルゴなんだ! と思い込むとか??
ちなみにウチは、熱湯かけちゃいますね。
助けてあげるべきでしょうか。
青虫の恩返し、なめくじ地蔵なんて話ができるかしら??
あっ、そこまで言いますか~?
私の倍以上、嫌いみたいですね。
草むしりしていて遭遇するのとはわけが違います。
これから美味しいものを作ろうってときだから、「ひっ」となるんでしょうね。
お嬢ちゃんたちも、ご主人も、調理の過程を知らないほうが幸せです(笑)
ひそかに、青虫のダシが出てたりして~!
洗ってる時に発見したら、窓から放ります。
(それでも助けたつもり?)
以前息子が、冷凍ロールキャベツからナメクジを発見して以来、
食卓には上がらなくなりました・・・
義父母が野菜を作っているので、取れたてを味わえるわが家。
当然虫も。
蒼虫も嫌だけど、ナメクジがね(〇>_<)
洗っていて発見したら、窓から外に放ります。
(助けたつもり?)
以前息子が、冷凍ロールキャベツにナメクジを見つけて以来、
食卓には上がらなくなりました・・・
あれを見つけると、ホント声が出ませんよ。
「ひっ!」って呼吸が止まるもん。
夜中に一人きりで幽霊に遭遇しちゃったみたいだよ。
まったくもって、心臓に悪いよね(汗)
でも、もったいないから 頑張って青虫くんを洗い流した後
青虫がいた葉を取り除いて、あとは料理しちゃう。
家族に内緒なのも砂希さんと一緒です。
だって、言ったら最後、全部残飯行きですから。
いや~、主婦は強いですよね!(笑)
ゲッ、煎餅に虫が??
それは遠慮したいねぇ。
2年くらい前に、ミキが食べていたイチゴに青虫がいたこともあったな。
あれは気持ち悪かった。
小松菜を茹でた後、プカーと死骸が浮かんでいることもあるね。
体を伸ばして死ぬのだとわかった…。
以前、煎餅の袋の中に虫がいた事ならあったよ。そういう事があると、次回からは慎重に確かめるようにはなるね。
あけましておめでとうございます!
重ねて、ご結婚おめでとうございま~す。
日記やつぶやきで、近況はだいたいわかります。
お料理、よく頑張っていますよね。
フォトつきのところを見ると、ご自分でも楽しんでいらっしゃるのかと。
ヨトウムシはどんな成虫になるんでしょうね。
おっしゃるとおり、これから口にするものの中に入っていると気持ち悪いです。
普通にその辺を這っているくらいなら、どうってことないんですが。
ではでは、よい週末を~!
はい、ホウレン草のソテーなどにも、青虫疑惑はあるかと存じます(笑)
深く考えないほうが幸せですよ。
実は、昔、キャベツについていた青虫を飼いました。
丸々と肥えていて、殺すのに罪悪感を感じたのです。
サナギになったあと、モンシロチョウが出てくることを期待したのですが、残念ながら蛾でした…。
トラウマになったんでしょうか、それ以来、食用の野菜についた虫は飼おうと思いませんね。
アゲハの幼虫なら、今でも大丈夫です!
母親から料理を教わったりしなかったものだから、なおさらです(あ、去年の夏に結婚しました。彼の実感からもらった米にも虫がいてギャーッてなりました…。虫は得意な方なんですけども、食べようとしたものの中にいるのは、キツいです…)
ブロッコリーの中にいたのは、どうやらヨトウムシ(mixiの虫のコミュで訊いた)。
捨てるタイミングをつかめず(害虫だから放すのもよくないとか)、さなぎになった姿を日々見守りつつ、年を越してしまいました……。
砂希さんは幼少の頃イモムシ飼っていたのでは、可愛いとまでのたまっていらっしゃいましたけど、同じ虫でも青虫は苦手なのでしょうか?
虫がついている野菜は味が良いからだと聞きます。
私も青虫が付いていた野菜サラダを女房に食べさせられているんでしょうかね。
そうか、無農薬はあり得ないのね~。
せいぜい、減農薬くらいかな??
虫も食べない野菜よりはいいけど、体内に有害物質が蓄積されていくと、長生きできそうもないね。
サナダムシは知っているよ(笑)
あの、ながーいヤツでしょ。
目黒の寄生虫博物館で見ました。
お腹の中で飼うのはキモいけど、花粉症などのアレルギー症状がなくなると聞いたよ。
それなら、悪くないかもね。
てことで、有機栽培に一票!
やっぱり、そうですよね。
青虫の歯形が残った野菜を食べるのは、ちと抵抗があります。
間接キスとか(笑)
考えすぎでしょうか。
給食のとき、青虫がもっと上の方にいたら、生徒に配っていたかもしれませんね。
騒ぎにならなくてよかったです。
記憶が曖昧なのですが、当番全員に青虫を見せた気もします。
道連れ(笑)
有機栽培、無農薬…説明しろって言われても難しいです。無農薬ではまず野菜を作れないでしょう。ただ、使用量を減らすしか方法がないのが実情です。有機栽培の定義も曖昧です。
ただ、有機肥料を主に育てるとね…体内にサナダ虫が居着くようになるらしいです(笑) 昔は肥料に糞尿を撒いてたしね(笑)だからサナダ虫がいたんでしょ?で、化成肥料を使うようになってサナダ虫が激減…今じゃ知らない人が多いはず(笑)
あっ、話しがだいぶズレちゃってすいませんm(__)m
先生はどっちを選ぶ?農薬のかかった野菜か…有機栽培された野菜か…迷うところかな(笑)
しかし砂希さんも人が悪いですね!(笑)
自分だけ青虫を見るのが嫌で隣の生徒を巻き添えにするとは!(爆笑)
昔はキャベツやレタスに普通に入ってましたよね。それだけ昔の野菜は今よりもおいしかったんですね。