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田君川の水生草

2018年05月05日 | 但馬の植物
              洲本城の紅白のサツキ


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(3級)問題より

【62】新温泉町の田君川に生育し、毎年5~11月にかけて、梅の花によく似た5弁
の白い花を付ける水生の多年草は、どれでしょうか。

(a)オキナグサ      (b)ミツガシワ      (c)ミズバショウ      (d)バイカモ


 田君川(たきみがわ)は、岸田川に流れる支流です。七釜温泉に入るあたり

で合流します。

浜坂に向かって走っていると「田君川バイカモ公園」の案内標識が見えます。

きれいな水の中に育つ「バイカモ(梅花藻)」の群生地が、ここにあるのです。

湧き水などのきれいな水の中でしか育たない「バイカモ」は、日高町の山間部

・十戸あたりでも見かけます。

しかし、田君川のバイカモ群落は川幅一面に広がり、梅の花に似た5弁の白い花

が川面一面に広がり、その規模が違います。

海岸線からわずか4kmしか離れていない、これも学術的に注目される「田君川の

バイカモ群落」なのです。答えは(d)のバイカモです。

 ちなみに、(a)のオキナグサは山野の向陽地に生える多年草で、白い毛が翁

(おきな)の白髪に見えることから翁草(オキナグサ)と呼ばれ、養父市別宮に

オキナグサの自生地があります。

(b)のミツガシワは、養父市丹戸の鉢伏高原(はちぶせこうげん)に自生してい

る多年草で、3枚の葉がカシワの葉に似ていることから名付けられました。

(c)のミズバショウは、養父市大屋町加保に自生している「加保坂(かぼざか)

のミズバショウ」がとても有名です。

このミズバショウの自生地は日本の西南限の地に当たり、発見も48年前ととても

新しいものなのです。

ふるさと但馬には、とても貴重な花が山や野や、川の中にいっぱい咲いてます。


『川いと』

 ずっと前、じいちゃんが作っているクイズで、

ヒント:洗い物をしました。答え:「カワイト(川いと)」という問題を出したら、

若いお母さんが「 “川いと“ って知らんわ」と言われたことがあったんよ。

じいちゃんが小さいころ、「もんづき道」があったって書いたね。

その「もんづき道」は、新川の「川いと」に行くためだったの。

昔は川に「川いと」と言う所があったの。

川の一部に、流れの所に下りられるようにして、洗濯ものや野菜を洗う所にしていた

の。

川の途中に作ったり、ちょうど家の前を流れている場合は、裏口から川に下りられる

ようにしてあったの。

そこを「川いと」と言ったの。

とても生活に重宝したところだったの。

「いと」ってね、但馬弁で川の船着き場のことのようだったね。

船着き場で洗いものもするようになり、洗いもの、野菜や鎌(かま)鍬(くわ)を洗っ

たり、川の中への出入りするところを「川いと」と言うようになったようだね。

今でも残っているけれど、クイズの話じゃないが、「川いと」の言葉を知らない若い母

さんがいらっしゃるね。

温泉町のシダレザクラの巨木

2018年05月04日 | 但馬の植物
                 但馬牧場公園のサツキ


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(3級)問題より

【61】新温泉町にあり、幹回りでは西日本一の大きさを誇り県の天然記念物に指
定されている「シダレザクラ」があるお寺は、どれでしょうか。

(a)正福寺        (b)泰雲寺      (c)相応峰寺       (d)玉田寺


 幹回りは5.25mで西日本一、樹高14.5mの高さから四方に垂れ下がる見事な

シダレザクラは、新温泉町竹田にあります泰雲寺(たいうんじ)の桜です。

この桜は京都の天竜寺から移植されたもので、樹齢250年を数えるエドヒガン

の園芸種であるシダレザクラなのです。

県指定の天然記念物である泰雲寺のシダレザクラは、花の色が濃くとても優雅

で見る者を圧倒させてくれます。答えは、(b)の泰雲寺です。

 ちなみに、珍しい桜、学名が「プルヌス・タジマエンシス・マキノ」のある

お寺は、新温泉町湯にある(a)の正福寺(しょうふくじ)です。

特に花木にまつわるものはありませんが、新温泉町清富の浜坂湾に突き出た観

音山にあるお寺が、(c)の相応峰寺(そうおうぶじ)です。

次のお寺も花木のことはありません。新温泉町七釜にあるのが玉田寺(ぎょく

でんじ)です。


『こって』

 ケンちゃんケンちゃん、但馬の方言であの有名な但馬牛のメスのことを「おなめ」

って書いたね。

メスの子牛のことなんだよ「おなめ」は。

「おなめ」とか、「おんなめ」という語感からメスの子牛ってなんとなく分かるね。

それじゃあ、オスのことをどういうか知ってるか。

但馬の方言では、オスの子牛が生まれてきてしまうとこう言うんだよ。

「生まれるのを楽しみにしとったのに、 “こって” だったがな」と落胆するんだ

よ。

オス牛のことを「こって」とか、「こって牛」とか言うの。

生まれてくる子牛が「こって」だと、どうして落胆するかというと、「こって」に比

べて「おなめ」の方が高く売れるからなんよ。

人間だっら男の子が生まれようが、女の子だろうが、どちらも大喜びするんだけれど、

但馬牛の場合は、オス牛さんはかわいそうだね。

「また今度も “こって” でしたきゃあな。あんたんとこは “こって” ばっかり

であかんな~あ」なんて。

せっかく生まれてきても、喜んでもらえませんね。

但馬の巨木

2018年05月03日 | 但馬の植物
          丹波・青垣町のパラグライダー


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(3級)問題より

【60】豊かな自然が残っている但馬にはカツラの巨木がたくさんあります。樹齢
約2,000年ともいわれ、国指定天然記念物となっているカツラは、どれでしょう
か。

(a)別宮の大カツラ          (b)糸井の大カツラ
(c)和池の大カツラ          (d)兎和野の大カツラ


 但馬は自然が豊かです。歴史もあります。そんな中で育ったトチノキ、イチョウ、

カツラなどの巨木がたくさんあります。

巨木を樹の高さで比較すれば、豊岡市竹野町桑野本・桑原神社の「桑野本の大イチ

ョウ」でしょう。その高さは48.5mで、遠くから見ても樹の下に入って見上げ

ても圧倒する姿です。

樹の幹周りではどうでしょうか。

幹周りというか、株周りというか、大きなものはカツラでしょうね。

朝来市和田山町竹ノ内にある「糸井の大カツラ」の幹周りは、樹木の中で一番大きい

方で、19.85mにも達する大きさです。

主幹は朽ち果てて空洞になっていて、何人もの人が入れる広さです。

大きさではありませんが、樹木の年齢、樹齢の比較ではどうでしょうか。

トチノキでも、モミでもだいたい600~800年です。千年桜とか、千年杉とか言

われるもので約1、000年です。

ところが、胴回りが最大の「糸井の大カツラ」は樹齢も但馬のトップで約2、000

年と言われ、国の天然記念物に指定されています。

あとの「別宮の大カツラ」が樹齢約400年、「和池の大カツラ」が樹齢約1,000

年、「兎和野の大カツラ」が樹齢約500年と言われ、県の天然記念物の指定です。

答えは、(b)の糸井の大カツラとなりますね。


『練炭』

 じいちゃんの子供の頃は、「練炭(れんたん)」ってよく使ってたんよ。

「練炭」はね、炭の粉を練って固めたようなもので、形は円筒形で縦に丸い穴が10ヶほ

どあいているの。使い道はね、火を点けてゆっくり燃えて長持ちする燃料なんだわ。

コンロにちょうどコソっと入って、鍋で煮炊きや炊事が出来るんよ。

それに「練炭」はコンロで煮炊きよりも、冬の暖房によく使ったの。

昔は、どのおうちにも「ふんごみ」と言って、床の下に箱で作った暖房があったの。

「ふんごみ」の中に「練炭」を置く所があってね、「練炭に火がついたよ~、ふんごみを

開けて~、用心して入れるよ~」と、いつも母さんが練炭を十能(じゅうのう)の上に乗

せて入れたんよ。

そりゃ~火力は強くって強くって、「ふんごみ」の暖かさはどんなコタツよりも凄かった

ね。

但馬の冬は寒いの。

昔の暖房ってとにかく「練炭」よ、「ふんごみ」の暖かさに勝るものはなかったね。

樽見の千年桜

2018年05月02日 | 但馬の植物
            但馬牧場公園・但馬牛博物館前


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(3級)問題より

【59】兵庫県下最大クラスの桜で推定樹齢1,000年、国指定天然記念物「樽見の大
ザクラ」は、どこにあるでしょうか。

(a)養父市八鹿町           (b)養父市大屋町  
(c) 養父市(旧)養父町        (d) 養父市(旧)関宮町


 文政6年(1823)、この「大ザクラ」を見た出石藩の儒学者・桜井舟山によっ

て「仙櫻(せんざくら)」と命名され、地元では「仙櫻」と呼んで親しまれてい

ます。

幹周り6.3m、樹高13.8m、根周り8mという大樹は、県下最大クラスを誇ります。

この桜は、1,000年もこの地に立って花を咲かせ続けてきました。

養父市大屋町樽見(たるみ)の県道から少し山の中に入ったところにあり、「樽見

の大ザクラ」と呼ばれています。

この桜の大樹は、国の天然記念物に指定されています。答えは、(b)の養父市大

屋町となります。


『麦踏み』

 冬に雪がよく降る但馬地方では、麦の栽培はあまり適していないの。

それでも、田んぼや畑に麦を植えるお百姓さんはいたね。おじいちゃんちの畑にも、

麦を育ててたことがあったね。

麦はタネモミをパラパラっと畑に播くの。

そのうち、麦の種は芽を出して根を生やして大きくなっていくんよ。

麦の栽培には「麦踏み」という作業があるんよ。

じいちゃんの子供の頃、なんで(なぜ)、せっかく播いた麦をいじめるように踏むん

だろうかなと思ったけれど、麦踏みってとても大切なことだったんよ。

麦踏みは横歩きになって、畝(うね)を足で踏みつけていくの。

麦の芽が出ようかなとしている時に踏みつけてやると、根の張りが良くなったり寒さ

に強くなったりするんだって。

特に、霜柱が出来て麦の根が浮いてしまわないように、麦踏みによって霜に強い麦に

なるんだって。

じいちゃんの子供の頃、ほんの少しだったけれど「麦踏み」もやったんよ。

大屋町加保坂の貴重な植物

2018年05月01日 | 但馬の植物
            大屋町加保坂の貴重な植物


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(3級)問題より

【58】1970年(昭和45年)に養父市大屋町加保坂で自生が発見され、この植物
の自生地として日本の西南限地となっている県指定天然記念物の植物は、どれで
しょうか。

(a)ヤマドリゼンマイ     (b)ミズバショウ    (c)ミツガシワ    (d)ザゼンソウ


大屋の町から、山の中の急な坂道を車で登っていきます。

関宮に抜ける山の中の道路です。

4Kmくらいの道のりを走り、標高500mくらいの高さからは、眼下に町の家々が

見渡せます。

養父市大屋町加保地区の山頂付近、加保坂には珍しいミズバショウの自生地が

あります。

湿地に育つ「ミズバショウ」の白い花が、とてもきれいに咲いています。

そんなに広くもありません。そんなにたくさん咲いているわけでもありません。

それでも、この加保坂のミズバショウはとても貴重で珍しいもののようです。

ちょうど地元の案内ガイドの男性が、訪れた人にこの地のミズバショウについて

説明されていました。

そばで一緒に聞きます。

男性は「高校生のころに、この地に自生しているミズバショウを発見しました」、

見学に訪れたご夫婦「へ~、あなたが見つけられたのでしょうか」、「そうです

よ。私たち高校生が見つけて専門家に調査確認されのです」、

「但馬の大屋町・加保坂のミズバショウは、自然に自生しているものとしては、

日本の南西限の地で学術的に貴重なものと分かったのです」、「今から48年ちょ

っと昔の高校生のころなのです。

今はこうしてガイドをしています」と、横からじっと聞いてしまいました。

ミズバショウって有名なものは、「夏の思い出」で歌われる尾瀬のミズバショウ

です。

案内板には「北海道や中部以北の高山などの湿地に多く自生しているミズバショ

ウ」と書いてあります。

「ずっと最近まで自生地の南限は白山の東、岐阜県の蛭ケ野高原とされていまし

た。

1970年に地元の高校生によって加保坂の山中で発見され、植物学者・矢野悟道教

授らによって自生のミズバショウと確認、花粉分析から約1100年前から存在が明

らかになった」と説明です。

養父市の町の花、兵庫県指定の天然記念物なのです。

人間の手によって植えられたミズバショウ園は、関西でもあちらこちらにあります

が、 自然に自生しているものとしては、大屋町のミズバショウが日本の南西限に

咲く珍しいものだそうです。

29日(日)には、「加保坂ミズバショウまつり」が開催されました。

答えは、(b)のミズバショウです。


 ちなみに、質問の(a)ヤマドリゼンマイは、温帯地方の山地の湿地に群生しま

す。但馬では、養父市大久保の鉢伏高原に群生していました。

西日本では珍しく昭和40年(1965)には県の天然記念物に指定されます。近年は

段々と消滅の危機に瀕しているのが実情です。

(c)のミツガシワは、3枚の葉がカシワに似ている湿原に自生する多年生の水草で

す。

兵庫県では、養父市丹戸の鉢伏高原に自生しています。

(d)のザゼンソウは、座禅を組んだ僧に似ていることから名づけられたサトイモ科の

植物で本州の高湿原地帯に分布しています。

香美町村岡区大笹のハチ高原には、1.5haに約3,000株のザゼンソウが自生していて、

県の指定天然記念物となっています。


『はしかいい』

 「ケンちゃんね、じいちゃんは風邪を引いたのか、ノドが “はしかいい” わい

や」って言う、「はしかいい」は但馬の方言なんよ。

「はしかいい」は、何かチクチクしてかゆいような時に使うんよ。

昔ね、「稲こき」ってした時、稲の穂のとがったワラが、腕や首についてチクチクし

たものだったね。

そんな時、稲の脱穀作業はそこら中チクチクして、「はしかいいなあ~」って言った

んよ。

「はしかいい」は、この言葉を聞いただけで、首筋のほうがチクチクするような気が

するんよ。

風邪でノドがチクチクする時も、とがったワラが腕に刺さってチクチクする時も、お

んなじ意味の「はしかいい」って言ったんよ。

それからね、「はしかいい」はもう一つ意味があるの。

「あの人、はしかいいわ」と言ったら、ちょっと性格が悪くって、少し、すこい事を

する人のことなんよ。

「はしかいい」は何か知らんが、あんまり良い事には使わんね。聞いただけでも首筋

かゆくなるわいね。

養父市の可憐な白い花

2018年02月13日 | 但馬の植物
        積もった雪に朝日が映える


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成29年 第12回但馬検定(2級)問題より

【49】兵庫県内では、養父市にのみ残存しており、水の中から茎を伸ばし5~7
月頃先端に小さな白い花をたくさんつける植物は、何でしょうか。

(a) ザゼンソウ   (b) ミズバショウ   (c) ヤマドリゼンマイ   (d) ミツガシワ


 三枚の葉がカシワの葉に似ていることから付けられたこの植物は、水中から

20~50Cmの茎をすっくと伸ばして、6月頃に小さな白い花を咲かせる水草

です。名前はミツガシワです。兵庫県では、氷ノ山のふもとの養父市丹戸(た

んど)の湿原にのみ生育している非常に珍しいものです。県指定天然記念物に

指定されています。答えは(d)のミツガシワです。


 ちなみに、(a)のザゼンソウは香美町村岡区大笹(おおささ)のハチ高原

に、1.5haの広さに3,000株を超えるザゼンソウが群生しています。県指定

天然記念物です。

(b)のミズバショウは、養父市大屋町加保坂(かぼざか)の山の湿地に自生

しているとても有名な植物です。それまで南限地と言われていた岐阜県よりず

っと南西の大屋町加保坂で、昭和45年(1970)に高校生の手によって偶然発

見されたのです。これも県指定天然記念物です。

(c)のヤマドリゼンマイは、養父市大久保に群生しているものです。ふつう

は温帯地方の山の湿地に分布するものが、鉢伏高原のような西日本の高地の群

生は珍しく、昭和40年(1965)に県の天然記念物に指定されています。


『いけん』

 ケンちゃん。そんなことしたら「いけん、いけん」なんて、ふっと口から出て

しまうことがあるね。じいちゃんが子供のころは、「だめ、だめ」というところ

を「いけん、いけん」とも言っていたんよ。

「いけん」は「だめ」という意味で使うよ。「ここで待っといて、動いたらいけ

んで」なんて使うね。


 但馬の方言では「いけん」の他に「あかん」とも言うね。「あかんがな、そん

ことしたらあかんがな」なんて言うね。

ケンちゃんは「あかん」の方かな。そう言えばミオちゃんとオモチャの取り合い

をしている時に、「ミオちゃん、あかんがなー。そんなミオちゃんばっかりあか

んがなー」と言ってるね。ケンちゃんは「いけん」じゃなくて「あかん」だね。

田君川のバイカモ

2018年02月11日 | 但馬の植物
      豊岡南消防署 消防自動車を見る
 


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成29年 第12回但馬検定(2級)問題より

【47】扇ノ山を源流として日本海に注ぐ全長24km の川で、その支流の田君川
ではバイカモの群落が生育していることでも知られる川は、どの川でしょうか。

(a)矢田川     (b)竹野川    (c)久斗川    (d)岸田川


 新温泉町栃谷を流れる田君川(たきみがわ)には、「バイカモ(梅花藻)」が

生育しています。

きれいな湧水などの流れる透明な水の中に咲く「バイカモの花」は、流れに身を

任せて白い花をゆらゆらさせています。日高町十戸や荒川の流れにも「バイカモ」

を見ることができますが、田君川のバイカモ群落は但馬の中でも最も規模の大き

なものです。

その田君川は、扇ノ山(おおぎのせん 1,310m)を源流とする新温泉町岸田に由

来する岸田川の支流です。答えは(d)の岸田川です。


『えりゃあ』

 ケンちゃん、あんな。今日の但馬弁は「えりゃあ」だで。「えりゃー」とも書いて

も通じると思うけどね。体がしんどいことを「あーえら」、「ちょっとえりゃーなー」、

「体がちょっとだけえりゃーわいな」って言うね。疲れたこと、しんどいことを「え

らい」って言うの。「えらい」ことを、ふるさとの言葉では「えりゃー」と発音する

んだよ。

それから別の意味で、「えらい」ことを「凄い」の意味にも使うね。「きょうはわし

らのために、えりゃーごっつぉーだなぁー。えりゃーごっつぉーしてもらってすまん

なー」なんて。

「すごい」ことを「えりゃー」とも言うね。「凄い」の「えりゃー」に「ど」を付

けると、「どえりゃー」となるね。「あんたはどえりゃーこといんさるわ」なんて、

無茶苦茶なことを言う人に「どえりゃーこといんさるわ」とも言うね。


 最後に、これはそのまんま「偉い」こと。「偉い人」に出世したことを「あんたは

たいしたもんだ。えりゃーもんだ」、「えりゃー人になって、よう出世しんさったなー

あ」なんて言うね。但馬弁の「えりゃあ」はいろいろ使い道あるんだよ。

しだれ桜の巨木

2017年12月13日 | 但馬の植物
      寒い朝の霧の中の日の出


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成29年 第12回但馬検定(3級)問題より

【65】新温泉町竹田にあり、樹齢250 年、京都の天竜寺から移植されたしだれ
桜の巨木は次のうちどれでしょうか。

(a) 延応寺のシダレザクラ     (b) 泰雲寺のシダレザクラ
(c) 正福寺のシダレザクラ     (d) 畑上のシダレザクラ


 ふるさと但馬で一番有名なシダレザクラは、温泉町のシダレザクラです。

そう、 臨済宗泰雲寺(たいうんじ)の境内にある「シダレザクラ」は、西日

本一の幹周り(5.25m)、県の天然記念物に指定されている大きな桜の木です。

四方に垂れ下がった桜の枝には、満開の桜の花びら、見る者を圧倒する姿です。

答えは、(b)の泰雲寺のシダレザクラです。


 ちなみに、生野町の延応寺(えんおうじ)は、県下2番目の巨木の大ケヤキ

が有名。また、生野義挙として名の残す尊王討幕の挙兵に集まったのがこの延

応寺なのです。

温泉町湯の正福寺(しょうふくじ)は、牧野博士が命名した花びら10枚の珍

しい桜「正福寺桜:学名プルヌス・タジマエンシス・マキノ」で有名なお寺で

す。

豊岡市畑上(はたがみ)にある巨木は、「大トチノキ」です。樹齢600年の

「畑上の大トチノキ」は、樹高30mもあり日高町万場・天神社のトチノキに

次いで県下2番目の巨木で、国指定天然記念物にもなっています。


『初めての電気スタンド』

 ケンちゃん、じいちゃんの昭和33年のころの話なんよ。「小学六年生」という

学年雑誌、確か昭和33年1月号だったはずです。滅多に買ってもらったことがな

かった雑誌ですが、年末に届いた正月号は、姉さんからのプレゼントでした。

大きく「東京タワー 姿を現す」と写真が載っていました。9月に着工した東京タ

ワーの、高さ50mくらいまでの四方に足を延ばして組み上がってきた建築中の姿

です。平成になって上映された「3丁目の夕日」に出てくる、東京タワーの基礎部

分の姿そのものなのです。


 そんな昭和33年の新春、じいちゃんは小学6年生の3学期でした。中学校に進

学する4月のころ、それまではご飯を食べるテーブルが勉強机でした。どうしても

勉強机がほしくって、家の周りに転がっている厚めの板切れを集めて、机を作って

しまいました。

友達に借りてきた「年鑑」という分厚い本を参考書にして、「私の自由研究、日本

の映画産業の歴史」なんて原稿を、出版社に投稿してしまいました。中学1年の春

でした。

ある日、放課後の職員室に教頭先生から「ちょっと君にいいもんが届いてるよ」と

呼び出しです。「〇〇出版社から、荷物が届いてるよ」と手渡されたのが、蛍光灯

の電気スタンドでした。追っかけて学年雑誌を見せてもらい、私の投稿した自由研

究が載っています。その入選作品の賞品だったのです。


 生まれて初めての電気スタンドは、手作りの机の上で中学、高校の6年間、しっ

かりじいちゃんの勉強の本を照らしてくれました

朝来の大ケヤキ

2017年12月12日 | 但馬の植物
     日高町土居・蓼川用水の土居井堰


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成29年 第12回但馬検定(3級)問題より

【64】朝来市の足鹿神社境内にあるケヤキで樹齢 1600 年と推定され、県下一
の大ケヤキとして国の天然記念物にも指定されているのは、次のうちどれでしょうか。

   (a) 青倉の大ケヤキ   (b) 与布土の大ケヤキ   

   (c) 藤和の大ケヤキ   (d) 八代の大ケヤキ


 足鹿(あしか)神社は朝来市八代にあります。これだけで答えは(d)の八代

の大ケヤキと分かります。

播但連絡道朝来ICの近くにある足鹿神社の境内には、樹齢1,600年と推測さ

れる古木であり巨木があります。八代の大ケヤキといわれる県下第一位の大ケヤ

キです。昭和3年(1928)に国の天然記念物に指定された樹高30m、幹回り9.

8mの立派なものでした。しかし平成11年(1999)の台風で、大枝が折れて現

在は樹高23mとなりましたが、幹や根張りは巨木の威厳を失わず「大金木」と呼

ばれて、市のシンボルとして親しまれています。


『初めてのラジオ』

 テレビ?、テレビなんてとんでもない。ないない、そんなもの家にはなかったよ。

ラジオだってなかったんよ。ケンちゃんケンちゃん、じいちゃんが小学生のころは、

よく他所(よそ)んちに遊びに行ったの。一つ学年が下のK君ちには、毎日のよう

に行ったな。


 その頃は、どこの家もまあまあ貧乏で、K君ちなんか囲炉裏(いろり)が真ん中

にあって、畳の代わりにきれいなムシロが茶の間だったね。そんなK君ちには大

きなラジオがドカンと座っていたの。5球スーパー何とかいってね、ダイヤル回し

て選局して周波数が合うと、グリーンの光る玉のようなものがキュ~ンと輝くの。

そりゃあ、ラジオって凄いなあと感心して聞かせてもらったね。


 よそにはあっても、じいちゃんちにはラジオもなかったの。小学校高学年のころ

かな、ある時就職先の兄ちゃんから小さな箱が送ってきたの。開けてびっくりプラ

スチックのラジオが入っていたの。K君ちの木製のラジオより小さいけれど、プラ

スチックのラジオなんよ。どこの家にもあるラジオをプレゼントしてやろうと、兄

ちゃんが給料から買って送ってきてくれたの。我が家に初めてのラジオだったんよ。


 その頃は、上の姉ちゃん兄ちゃんたちは都会に出ていたので、家には家族が6人

かな。そっとタンスの上に置いたラジオのスイッチを入れて、6人みんなで拍手し

たね。花菱アチャコと浪花千栄子の「お父さんはお人好し」ってラジオドラマ、み

んなで仲良く聞いてゲラゲラ6人そろって笑ったんよ。

大久保の大杉

2017年12月11日 | 但馬の植物
       円山川の流れゆるやかに


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成29年 第12回但馬検定(3級)問題より

【63】養父市大久保にある大杉は、とてつもなく大きいを意味する方言で呼ばれ
ていますが、何杉といわれているでしょうか。

(a) デッカイ杉     (b) ドエリャー杉    (c) ホードー杉    (d) ボーボー杉


 兵庫県最高峰の氷ノ山(ひょうのせん)やハチ高原スキー場に近い、養父市大

久保の里に「とてつもなく大き」な杉があります。「とてつもなく大きい」こと

を地元関宮の方言では「ホードー」と言うそうです。県下一の高地1,150mにあ

る杉であり、県下第3位の巨木が大久保の大杉で、地元では「ホードー杉」と呼

ばれているものです。

樹齢は1,000年に近いといわれ、幹回り12.6m、樹高22mの数本に枝分かれして

立ち上がる姿は、とてつもなく大きく風格に満ちた姿です。

答えは、(c)のホードー杉が正解です。


『初めての蛍光灯』

 じいちゃんが子供のころから電気はきとったよ。但し、電灯は一つだけ、40

Wくらいの電球が、一つ付いているだけだったんよ。定額料金っていって、ひと

月決まった電気代でよかったの。そのかわり電球は家に一つだけだったの。コン

セントも何もないもんだから、アイロンもスタンドも何んにも使えんかったんよ。

もちろん、そんな電化製品なんてないしね。なので、風呂もカンテラ、炊事場も

明かりなし、夜になったら早く寝るしかなかったの。


 電球切れたら、町で一軒だけの電気屋さんに走って同じ電球を一つ買ってくる

の。そんな定額料金の電化生活から、小学校上級生のころかなコンセントが付い

たんよ。そして裸電球が蛍光灯になったの。20Wの蛍光灯一本だよ。初めて蛍

光灯の明かりを見たとき「わあ~、明るい~。家中明るい~」と、家族みんなで

喜び合ったね。風呂はやっぱりカンテラだったけれど、薄暗かった炊事場にも2

0Wの蛍光灯をつけて、そこいらじゅうクモの巣やら、汚れやらがよ~く見えて

困ったことを思い出すね。

ケンちゃん、今とえらい違いだね。昔の電化生活は電球一個が普通だったんよ。