再掲:「孟子と金一族政権」
儒教の聖典である四書五経に数えられる「孟子」にはこう書いてある。
【現代語訳】梁惠王章句上・七(その三)部分
犯罪する要因を知っていながら、犯罪を成した後に処罰するなどというのは、人民をないがしろにした政治です。仁の道をとる人が君主であるならば、どうして人民をないがしろにして国を治めることができましょうか。(中略)ところが、今の君主が人民の生活に対して行う政策はその逆で、父母への孝行と妻子の養育も十分にできないほど収奪し、豊作年でも常に苦しみ、凶作年には餓死するより他はない。これでは人民は何とか死なないようにするのが精一杯です。
【私の意見】
これからすると、金正日、金正恩親子は孟子が求める明君でないことは明明白白であり、君主の名にも値しないただの独裁者でしかない。孟子は、「政治とは、民を飢えさせず、寒えさせないことである。」とも言っている。政治とは、人民の命と暮らしを守ることにあると言い換えても良いだろう。
金正日、金正恩親子は、朝鮮半島を長きにわたり支配し、そして今も強い影響力を保持している儒教思想からすると、孟子のいう湯武放伐論に該当し易姓革命の対象に成り得る独裁者である。
その理由として、金正日、金正恩政権が実施した3回にわたる核実験では、約7280億円(1ドル112円換算)にも及ぶ巨額の費用が費やされたと推定されている。これだけあれば、北朝鮮が海外から食料を輸入して飢えたる人民に供給できる8年分に相当するのである。この事実だけでも、金正日、金正恩親子が儒教思想でいう天子でも君主でもないただの独裁者に過ぎないことを示している。また、ミサイルを1発発射すると、約560億円近くが消えてしまうとも聞く。
儒教思想に鑑みれば、金日成、金正日、金正恩と三代続いた独裁政権に、朝鮮半島北部を支配することを正当化する根拠などどこにも見当たらない。天子にも君子にも値しないただの独裁者に国際社会は体制存続のお墨付きを与えてはならない。北朝鮮人民の命と暮らしを守ろうとしない支配者に忖度の余地などないのである。易姓革命の機は熟していることを北朝鮮人民に自覚させる情報戦を我々は展開しなければならない。
経済制裁でもない、武力行使でもない、情報戦を展開して金一族政権を打倒することが、北東アジアの安全と北朝鮮人民の命と暮らしを守るものと信じる。北の核ミサイルに我が国が攻撃される被害の大きさと復興に要する莫大な費用から勘案すれば、情報戦は安上がり、情報とSNSは使い様だ。
2018.2.24
救う会徳島 代表 陶久敏郎