三笑会

三笑会は、平成30年6月1日~陶芸活動と陶芸教室、喫茶室、自家野菜販売、古美術・古物商経営を総合的に活動していきます。

「参院拉致特委員会中継から」

2022-06-09 13:05:59 | 日記
「参院拉致特委員会中継から」

 6月8日に開かれた参院拉致特委員会の模様を、インターネット中継で拝見した。参考人として、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)事務局長飯塚耕一郎氏と特定失踪者家族会事務局長竹下珠路氏を参考人として招致して質疑を行っていた。全体を通して感じたことは、各党委員からの質疑及び両参考人の見解の中に出てくる「全拉致被害者」をどう特定するのかという問題が未解決のまま放置されている現状があることだ。
 5月29日、家族会・救う会が中心となり開催された「拉致被害者の即時一括帰国を!私たちは決して諦めない!国民大集会」は、「1.政府は、国民が切望する全拉致被害者の即時一括帰国を早急に実現せよ。」との決議を採択している。しかし、昨日の委員会において「全拉致被害者をどう特定するのか」という問題について具体的なプランが出席者の誰からも示されなかったのは残念である。
 曽我ひとみさんの例にもあるように全拉致被害者を把握しているのは北朝鮮側で、北朝鮮による拉致が濃厚とされる行方不明者の拉致認定が進まないのも最後の部分で確実な証拠が掴めないでいることに一因がある。一番早くて確実な方法は、全拉致被害者を把握している北朝鮮側に日本政府が直接確認することだ。家族の高齢化が進み一刻の猶予もないというのなら尚更のことではないだろうか。
 幸いなことに、日本政府は平成26年5月のストックホルム合意を破棄しておらず、この合意に基づいて拉致問題をはじめとする全ての問題の解決を目指すことを明言している。この合意に基づく調査報告書を受け取り、その内容確認のために政府関係者を北朝鮮に派遣・滞在させ、関係資料を精査して全拉致被害者を特定すべきと考える。全拉致被害者を最終的に特定するのは日本政府の責任であって、それ以外の責任者は存在せず、これを確実に遂行することが国家の主体性であると私は思う。
 私は、特定失踪者問題調査会の活動方針である「一人からでも取戻し、最終的に全員を取り戻す」という方が、家族会・救う会の方針である「全拉致被害者の即時一括帰国」よりも現実的で可能性が高いと捉えている。家族会・救う会の方針である「全拉致被害者の即時一括帰国」は両刃の剣だと思う。それは、死亡・未入境とされた12人の政府認定拉致被害者のうち、仮に「田口八重子さんは生きていますよ、後の人はまだ分かりませんが」との通告が北朝鮮側からあった場合、家族会・救う会は「全拉致被害者の即時一括帰国」の方針を貫けるのかという疑問が湧いてくる。
 一刻の猶予もないというのなら、ストックホルム合意に基づく解決を目指し、「一人からでも取戻し、最終的に全員を取り戻す」方針に集約してはどうか。

令和4年(2022)6月9日

救う会徳島 代表 陶久敏郎