Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.465:アラサー教員奮戦記 第16回 「学園祭も奮戦します」

2012年10月22日 | アラサー教員奮戦記
ここ数日、かなり涼しくなって参りました。いつも汗だくの私にとっては、
春夏秋冬というよりも夏夏夏秋くらいの感覚でしかありませんので、涼しく
なってきたというのもほとんど朝晩だけの話であり、相変わらず汗だくです。
特に、授業中などはひとりだけ異次元にいるような暑さを感じています。

さて、季節的には秋になって参りまして、学園祭のシーズンとなってきまし
た。大学生時分の私にとっての学園祭とは、ほとんど「お休み」のようなも
のでありまして、これといった思い出がないのであります。これには、本当
に後悔しています。やはり、学園祭といえば、何となくテンション上がって
いく予感とでも言うのでしょうか、そんな雰囲気があるわけですが、それさ
えも開店休業になってしまっていたわけですから。生粋のミーハー気質の人
間としては、「そんなの行かねえよ」と斜に構えることしかできなかったわ
けです。

とはいえ、大学教員になった今、もう一度学園祭を「中の人」として携わる
事ができるわけです。今日は、今ゼミで鋭意作成中のイベントについて紹介
します。

橋本ゼミでは、「学び」×「経営」ということをテーマとして、さらに
「Learning is Entertainment」をビジョンに活動を行っています。その活
動の一環として、本学の学園祭である瑞木祭(11月10日~11日)において、
「体験型のゲーム」を実施する予定です。

現在、ワークショップという言葉がかなり色々な所で聞かれるようになりま
した。ワークショップ形式での研修というものもかなり数が多くなってきて
いるようですし、農業体験ワークショップといった何らかの体験が含まれる
ものに対しては、ワークショップという言葉が使われています。良いイメー
ジもたくさんあるでしょうし、一方であまり良くないイメージを持たれてい
る方もいらっしゃるかと思います。

今回、我々が目指すものは、きっと「ワークショップ」というカテゴリーに
入るものなのではないかと思います。しかし、あえてワークショップという
言葉は使わずに「体験型のイベント」としています。それは、この活動を通
じてワークショップについて考えたいなという思いがあるからです。学生は
何らかの形ですこしワークショップに触れています。そういった経験や、自
分でやってみるという経験を活かし、ワークショップとは何か? そんな事
を考える機会にできたらなと思っています。

また、最近では体験型イベントとして「謎解きもの」も行うものも多くあり
ます。有名な所では、スクラップ社が行っていて商標も取得されている「リ
アル脱出ゲーム(http://realdgame.jp)」などはかなり盛況を収めている
ようです。我々も一度体験に行きましたが、非常に考えられているプログラ
ムだなと思いました。遊園地全体を使ったりと大規模なものから、小さな部
屋のなかで完結するものまであるようです。

さて、このように体験型イベントをただやるだけでは、既にあるものをなぞ
るだけになってしまいます。その上学生がやることです。当然、チープにな
ってしまうでしょう。そこで、何らかの形で新しい事はできないだろうか?

そんな事を考え、1つの手法を導入することにしました。

それは、協調学習(collaborative learning)という知見を用いる事です。
中でも、「ジグソーメソッド」という手法を用いることにいたしました。極
めてざっくりと、ジグソーメソッドを説明すると、ある課題を複数に分割し、
まずその分割された課題について学ぶエキスパートグループと、それぞれの
学んだ事を持ち寄り知識を統合していくジグソーグループという2つのグ
ループ活動を行う手法です。

この手法の特徴は、グループで活動する際に、それぞれが違った視点を持ち
寄る事ができるようになっている事です。また、それぞれがエキスパートグ
ループで学んだ知識を持ち寄らなければ、ジグソーグループでの活動が上手
くいかないため、他者と交流する事が組み込まれている所にあります。
ジグソーメソッドに関する詳細は、下記のサイトを参照願います

東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
メールマガジン「Beating」第18号「5分でわかる学習理論講座」


その手法を大胆に体験型のゲームに組み込む事にいたしました。専門家の人
からは、鈍器で殴られてしまいそうな雰囲気もあるわけですが、いかに面白
いゲームにできるのかを考えています。

現在、そのシナリオがほぼ完成しました。これをいかにジグソー教材に仕上
げるのかが大きな課題です。ジグソーメソッドをゲームとして使う場合には、
以下のような課題があります。

1.全体としてどのような課題に取り組むのか?(ジグソーグループでは何
をやるのか?)
2.エキスパートグループをどのように分割するのか?
3.ゲームとして成り立たせるための「謎解き」部分をどのように埋め込む
のか?

前半2つについては、ジグソーメソッドを行う際には一般的な課題かと思い
ますが、最後がゲームとして行うとなると課題になる部分かと思います。

特に、エキスパートグループをどのように分割するのかというのは、この手
法を行う人達の知恵の見せ所と行った所でありまして、かなり苦労していま
す。

現在は、大枠としてプロットが完成している段階であり、これから詳細を詰
めていく形です。実際にやってみないと分からない点は多々ありますが、一
番難しいだろうと思っているのが、どの程度介入を行うのかという点です。
やり過ぎては、自分達でやったという感覚を得にくくなりますし、介入がな
ければ冷めてしまうかも知れません。そういった高度なファシリテーション
が求められるのではないかと思います。

現在、Webサイトを通じて、特にfacebookページを使って作成の様子を情報
発信しています。ご興味をもたれた方は、是非「いいね」をお願いいたしま
す。また、お時間がありましたら、11月10日~11日と新感覚の学びのイベン
トにお越しいただければと思います。また、次回においては実施報告をさせ
ていただければと思います。

↓イベントはこんなイメージです。
【別れの教室 ?大学内に伝わる七不思議を解き明かせ?】
本学には、ある噂がある。ある時期、ある教室に入るとどんなカップルでも
「別れてしまう」という噂だ。今では七不思議の一つと呼ばれている。今、
この謎に後一歩という所まで迫っている。そんな時・・・

Webサイト

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<文責:ハシモト>

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