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大学教育を中心に不定期に書いています。

Vol.493:アラサー教員奮戦記 第23回 「就活情報解禁日に思ふ」

2013年12月07日 | アラサー教員奮戦記
(本Blog記事は、2013年12月1日発行のメルマガバックナンバーです)


写真は 東洋経済オンライン『就活の“後ろ倒し”は迷惑?大学生の本音』(2013年4月19日)より

2013年もあっという間に過ぎていきます。本日は12月1日。ついに師走とな
りました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

さて、この12月1日という日は、大学生にとって大きな一日です。そう、就
職活動の情報解禁日だからです。今日から、リクナビやマイナビといった大
手就職情報サイトがオープンされ、エントリーなどが解禁される事になりま
した。本日0時を回った瞬間から一斉にエントリーなどが行われたようです。

ちなみに来年(現2年生)からは、報道されている通りさらに後ろ倒しされ
ることが予定されています。何とも、スタート地点がどんどんと変わるのは、
誰もが手探り状態であり、なかなか慣れないというのが実感です。

さて、このように就職活動の開始時期が示されていると、あたかも「就活」
はこの日がスタートという印象を与えます。言い換えると、12月1日になっ
たら就活をすれば良いのでしょ? と言うような雰囲気もある訳です。

しかしながら、当然働く事は、これまでに培ったスキルや、大きな括りでの
人間性などが大切になるわけです。故に、いつからスタートなんてものはな
く、生まれた瞬間からスタートしているものでもある訳です。例えるならば、
高校野球の甲子園に向けた予選の開始と言ったものでしょうか。当然のこと
ながら、そこでの勝負はそれまでにどんな練習を積み重ねてきたかに掛かっ
てくる訳です。大学生もこれまでの成果が社会に問われる場のひとつという
事です。

このように、一括でスタートする所を見ると、極めて日本的、横並びだなと
思います。12月1日は日曜日です。休日に当たる訳ですから、月曜日の10時
スタートでもかまわないはずなのですが、やっぱり1日の0時からスタートす
る訳です。きっと、就職サイトの裏側では、システムが落ちないか待機して
いる人もいたでしょうし、大学生達も0時になるのをPCの前で待っていたの
ではないかと思います。なかなかの光景です。新卒一括採用として、集団就
職の頃からの何か伝統芸的なものを感じます。

一方で、この横並びというのも悪くないのではと思っています。それは、周
りが頑張っているから自分もやろうという圧力が働くからです。例えば、結
婚などについて言えば、意図を持ってしないとか時期をずらすとかではなく、
「ただなんとなくフラフラとしていたら」○○才になってしまったというよ
うな例を見聞きします。私自身もふと気付いたら、30才を過ぎていました。
こういったフラフラとしている人にとって見れば、少しでも周りが動いてく
れることは悪い事ではないと思います。

やはり、物事には旬があります。勝負所でしっかりと勝負が出来るかが大切
でしょう。マラソンなども42キロと長いものの、トップ選手達が仕掛ける
(勝負する)のは、やはり30キロ付近が多いものです。その時に勝負ができ
るように準備し、そしてしっかりとタイミングを逃さず勝負する。そういっ
たことが大切なのだと思います。

12月1日となり、今年の3年生の就職活動が開始されました。マラソンで言え
ば、スタートを切った所でしょうか、それとも20キロ過ぎでしょうか、はた
またラスト1キロを切った所でしょうか? 業界により、企業により、人に
より異なるでしょうが、レースが始まった事は確かなようです。今年その
レースに参加する大学3年生達にはしっかりと自分の力を出して欲しいと思
っています。

なお、私の職業人生をレースで例えるならば、まだ5キロも行っていないで
しょうか。まだまだ先は長く、そして苦しい所も多くありそうです。勝負所
もどこかは分かりませんが、ある事でしょう。そう、就活なんてスタート地
点に立つだけのもの、ゴールなんかではないのです。リラックスして、一方
謙虚な気持ちを持って臨んで欲しい所です。働く人が増える事は社会にとっ
て素晴らしいことです。若輩者ながら、新しい参加者を歓迎いたします。
<文責 ハシモト>

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