Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.468:アラサー教員奮戦記 第17回 「失敗するために、機会を作るということ」

2013年01月04日 | アラサー教員奮戦記


師走に入り、バタバタとした日々が続いています。私個人としては、12月25日に
ちょっとしたチャレンジングなイベントが控えておりまして、そこまでいかに走り
きるかが専らの課題となっています。あっ、そのイベントは本メルマガの話題に
とっても合っている「ラーニングな」イベントであります。クリスマスにガッツリ
仕事なのが玉に瑕です。

さて、今日は、そんなイベントについての話題です。

イベント、特に「ラーニングな」イベントの場合には、論点としてあげられるのは、
「どんな内容を扱うのか」という事です。その次に、「どんな形態で行うのか?」
があがるかと思います。たとえば、社会人10年目を対象に「自分のキャリアを振り返
る」という内容で、「ワークショップ形式」でやろうとか、「○○業界の最新事例を
紹介する」という内容を「講演とパネルディスカッション形式」でやろうとか、そう
いった形です。

参加者は、それを見て参加するかしないかを決めているので、これらは大事な事です。
しかし、イベントを実際に開催してみると課題になるのは内容とか形式ではなく、「運
営」である事が多いです。特に、問題が生じるケースにおいては、ほとんどだと言って
も過言ではありません。慣れていない人達が運営に携わるケースですと、その頻度は格
段に上がってしまうのです。○○という内容について詳しく知っていて、人にも伝えら
れるから、○○に関連したイベントを開催できるかというと、必ずしもそんな簡単な話
ではないという事になります。

では、こういった機微を全くの初心者である学生にいかに伝えていくのか? これが現
在私の取り組んでいる内容です。学生によくあるパターンが、楽にできるだろうと考え
ているが、実際には上手くいかなかったと言うことです。

現状では完全にOJTの形で、みずからが主催するようなイベントに学生にも参加して
もらって、「大学生を対象としたイベントの参加者募集の案内は、バイトのシフトを出
す前くらいのタイミングで送ると参加してもらいやすくなる」とか、「参加者が受付で
滞留しないように受付のテーブルをセッティングにする」といった内容を地道に伝えて
います。

こういった活動によって感じているのは、「自分でやってみることによって初めてどこ
を見れば良いのかがわかってくる」ということです。少なくとも学生は、「ラーニング
な」イベントを経験しています。学校にいるのですから、言ってみれば毎日が授業とい
う「ラーニングな」イベントに携わっている事になります。しかしながら、授業を「受
ける」という立場にいるだけでは、何かを「行う」という側の事を想像することは難し
いようです。やってみて、失敗して、フィードバックを受けて、初めてどこを見れば良
いのかがわかってくるのだと感じています。

そう考えると、「やってみる事」、「失敗すること」、「フィードバックを得る事」を
少なくとも乗り越える必要があるという事になります。振り返ってみると、自分もそん
な場をたくさん経験させてもらったなあと思い出します。そして、それは案外他のこと
にも役だったなあと感じています。

学生がやってみて、失敗できるような場をいかに作り出すのか? これが当面の課題と
いう事です。前回のメルマガでは、学園祭の内容を紹介しましたが、こちらについても
「運営」を学ぶ良い機会になりました。全くもって裏方的な事なのですが、これができ
ない事による悪影響をしっかりと掴んでくれたようです。つまり、今回運営という意味
では「失敗できた」という事でもあります(イベント全体は総合的には上手くいったと
思います)。

「自ら機会を作り出し、その機会によって失敗する経験を積む」と、どこかの会社の社
訓のようでもあるのですが、そういった場があるという事は必要な事だと思います。

一つのイベントが終わると次の準備を行っています。現在は、目の前の12月25日のイベ
ントについて準備をしながら、1月2月の事を詰めていっています。失敗が許されない所
もありますが、失敗ができる場も作っていく必要がある訳です。少なからず、何らかの
機会は必要だと信じ進んで言っています。そんなバタバタした日々を過ごしていたら、
もう12月が過ぎていこうとしています。「あっという間」ですが楽しい毎日です。

さて、今号は私が担当する今年最後のメルマガ記事になります。全くもって役に立たない
記事で恐縮ですが、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

<文責 ハシモト>

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