Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.457:アラサー教員奮戦記 第14回「TEDxTOKYO」に行ってきました

2012年07月02日 | アラサー教員奮戦記
昨日、TEDxTOKYO(http://tedxtokyo.com/)というイベントに行ってきまし
た。TEDとは、アメリカで始まったアイデアに関するプレゼンテーションの
カンファレンスです。私が参加したのは、渋谷ヒカリエで行われている本会
場ではなく、二子玉川で行われたパブリックビューイングですが、こちらは
こちらで面白い試みが行われていました。

まず、TEDの見所でもあるそれぞれのプレゼンテーションは、それぞれの個
性があふれたモノでした。研究発表、パフォーマンスまで複数ありますが、
限られた時間の中で最大限効果をあげようとする姿勢が見て取れました。

プレゼンテーションというと、どういったスライドを作成するのかといった
テクニカルな話があります。もちろん、それはそれで必要な事なのでしょう
が、やはり、プレゼンターとしての「人」や、その人の醸し出す「雰囲気」
が一番のプレゼンツールなのだと感じました。

結局、ひとつの事を突き詰めた人や、パッションを持った人が話すからこそ
という面はあるのだなと思います。そこには、年齢が若かろうが、年を取っ
ていようが関係ないものだなと思います。逆に言えば、伝わらないのは突き
詰められていない事やパッションが少ないからなのだろうなと反省をしまし
た。

ここで一番感動したのが、「白A」(http://www.siro-a.com/)というグ
ループによるパフォーマンスでした。映像と音楽とパフォーマンスを合わせ
たものでしたが、その寸分狂わぬパフォーマンスは圧巻でした。残念ながら、
私の筆力ではそれを表すことができないので、是非ともyoutubeにもアップ
されると思いますので見ていただけばと思います。

パブリックビューイング会場では、TEDを見るだけではなく、様々な取り組
みが行われていました。中でも、同志社女子大学上田ゼミ(GirlsBand)に
よるワークショップと、東京都市大学の岡部ゼミの学生さんによる場のプロ
セスを記録するスクライビングが印象に残っています。

この学生さんの取り組みで感動したことが2つあります。
ひとつは、学生さんの機転を利かせた行動です。
機材トラブルで映像が途切れた場面がありました。このときに、学生さんが
すっと出てきて、即興で場をつないだのです。特に、全員が映らないスク
リーンを見ている中で、会場の反対側で行われているスクライビング風景を
紹介することで、視線をずらしたのです。

機材トラブルの際には、トラブル回避のためにどうしても見せたくない画面
を見せなければなりません。その時、参加者の視線が集まったままではどう
してもやりにくいですし、参加者としても興ざめです。そのトラブルを一瞬
の機転で回避したのはプロの技だと感じました。また、このことによりプロ
セスを記述しているスクライビング自体にも注目を集めさせたのです。

もう一つは、学生による「人を育てる」という魅力についてです。
この会場では、最後に全体の振り返りとしてワークショップの風景を残した
リフレクションムービーを上映しましたが、そのムービーは学部3年生が作
成していました。撮影から編集をその場で行うこのムービー作りは私(ハシ
モト)も行っていますので、その大変さは身にしみて分かっています。それ
を学部3年生が行ったというのは感嘆しました。また、上映時には作成した3
年生の後ろで指導をしていた4年生が見守っている姿がありました。そして、
上映後、彼女らは二人して号泣しているのです。

なぜ泣いているのかを聞いてみると、機材トラブルがあって撮影した複数の
かなり重要なシーンを使えなかったというのです。そんな事は、参加者には
全く分からない仕上がりになっていましたが、想像しただけでそうとう大変
だったはずです。また、そのトラブルに対して4年生が協力して対処してく
れたというのです。その対処法は「上手い」と思わせるものでした。

TEDのプレゼンにも繋がる事ですが、パッションを持ってやったことという
のはやはり伝わるのだなと思いました。また、後輩の指導をしている先輩も
一緒になって泣けるという姿にOJTの基本のようなモノを感じた次第です。
仕事上では教えなければならないとか、役割だからといった事ではなく、後
輩の成長を願い、一緒になって取り組む姿勢に感動を覚えました。

休日のひととき、大変良い経験をする事ができました。お土産いっぱいであ
ります。皆様にも、少しでも何か伝われば幸いです。

<文責 ハシモト>

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