さかしま日記

勝手気侭な独り言。最近は特に。。。

2012年12月27日 | 読書
中山七里「ヒートアップ」
面白かった。
組織に染まらない、一匹狼的な麻取と同じく
とてもそれっぽく見えないヤーサンのお話。
会話のテンポがリズミカルで良いです。
作者もだんだんうまくなっていくなあ。
最後のどんでん返しの引っかけが「葉桜」的で驚いた。

同じく中山七里の「静おばあちゃんにおまかせ」
ミス・マープルみたいな安楽探偵・静おばあちゃんが登場。
これも最後がびっくり。
静おばあちゃんは元裁判官。
裁判官の国民審査について考えさせられるところあり。

真梨幸子「女ともだち」
冒頭のねっとりじっとり重苦しい空気感の描写は○ですが
後半に行くに従ってだんだん飽きてきた。
なんせ、登場人物が多い。視点がとっちらかっている。
加えて人物がよく喋る。
ラストはまあまあ、かな。

同じく真梨幸子「更年期少女」
表紙の松苗あけみさんのイラストに惹かれて読みました。
う~ん。こっちはさらにダメ。
だってストーリーがすぐ読めちゃう。
ラストは意外ですけど、突っ込みどころ満載。
絶対無理だって。気づくって・・・。

貴志祐介「悪の教典」
これは面白かった!
映画の伊藤さんはハマり役でしょうね。
さわやかで怖い教師です。
下巻は読んでいてバトルロワイヤルを思い出しちゃった。
結構いいキャラの人どんどん死んで行くところとかさ・・・

七尾与史「ドS刑事」
かる~いタッチでえぐい描写を書いています。
それが持ち味かしら。
それにしてもよく人が死ぬ。死に過ぎです。
緊張感ない刑事。
ミステリーというよりコミカル。薄いのが好きな人向け。

平山夢明「ダイナー」
なんだろう、これ。
ミステリーじゃない、ハードボイルド?ノワール?
暴力と美食が組合わさった!舞台は殺人者向けの定食屋です。
ここではしっちゃかめっちゃかのぐちゃぐちゃの非日常の暴力が日常で
アメリカンな正当派ハンバーガーが最後の晩餐のように非日常的に食される。
読み始めは脳みそどろっ、内蔵ぐちゃ、血べっとりのスプラッタ描写に
ジューシーな肉汁たっぷりのバーガーが重なり、気持ち悪かったのですが
読むに従って登場人物一人一人が生き生きと動き、
躍動感が脳みそにダイレクトに届いてきたよ。
感情より動感が伝わる作品です。
料理のネーミングセンスも抜群。
久々にヒット~。

島田荘司「アルカトラズ幻想」
アルカトラズ刑務所は最近何かのニュースで目にしました。
絶対脱走できない刑務所なんだとか。
そこを脱走した人が体験したことがメインストーリーですが
刑務所の中だけの物語で終わる訳もなく、前半の猟奇的殺人や
後半の不思議な体験、途中のムーに出てくるようなお話、様々なネタを合わせ
そして全てが一つに繋がってます。
いやあ面白かったっす。

門井慶喜「竹島」
こんな難しいテーマをさらっと書いているってやっぱりすごい。
竹島は韓国、日本のどっちのもの?
小説なので、どっちに論点を当てても角が立ちそうですが
シーソーゲームのようにどっちにも取れる内容を
うまく重ね、まとめていました。
竹島のこと、改めて良く分かりました。
自国の歴史ぐらい真面目に知っておかなきゃね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 寒いよなあ | トップ | 今年は »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。