さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

二風谷ダム

2024年10月13日 | 北海道シリーズ


平取の朝を迎え、バス停にやってきました。目の前には「ふれあいセンターびらとり」
があります。


御覧の通り、平取行きのバスは11:15の一本。ホテルは10時にチェックアウトで
コーヒーでも飲む喫茶店があるわけじゃなし、ふれあいセンターに入ってみる。


すると上階に図書館があるではないか。うれしいことです。利用客はゼロ。あとで
おばーさんがひとりやってきて、隅のソファーに座っただけでした。挨拶を交わした
職員さんは親切に「何かあればどうぞ聞いて下さい」と声をかけてくれました。
あちこちの図書館で読み続けている本もなく、自分で持ち歩いている本を読んで過ごす。


二風谷に向かうバスに乗り、途中の何もない「二号線」という名のバス停で降りました。
どういうネーミングなのだろう?少し歩いて二風谷ダムを見てやろうと思ったのです。


国道からそれて沙流川に向かうと、公園のようにきれいに整備されていました。


誰もいない静かな大地を行く。「静かな大地」とは、アイヌが自分たちの住む地を
「アイヌモシリ」と呼んでいた言葉の和訳です。つまり和人が勝手に「北海道」と
呼ぶようになった前の、この土地を呼んだ名前なのです。


まわりには人っ子一人いません。ここで熊と出会ったらやだなーと思うw


なんじゃーこりゃーというダムがありました。この二風谷ダムは、河口の苫小牧東部に
大規模な工場を建てる計画のために、その工業用水の供給源として建てられました。
アイヌが暮らす二風谷の、自然を神と崇めて暮らしていたアイヌ民族の母なる
沙流川に、村の真ん中を踏みにじる場所に反対を押し切って建設しました。
結局工場など建たなかったのにそれでも強行して、裁判で違法とされたいわくつきの
ダムなのです。


清流が堰き止められて、淀んだ汚い沼のようになりました。ここでアイヌの祭事を
して、舟で川を行き来し、鮭を獲って暮らしていた生活がコレだよ。工業用水って、
途中で工場も建たないことになったのにw

「日本を、取り戻す!」とか言ってた政党の人たち、コレぶっ壊してきれいな川を
取り戻してくれませんかね。


造るときにはゼネコンが儲かり、そこから献金を受けていた政治家も潤ったんだから、
今回も壊せばどちらもそれなりに潤うんじゃ?


そのすぐ近くに、「ユオイチャシコツ」という「チャシ」の遺跡がありました。
「チャシ」とは、アイヌの砦、祭事の地として使われた場所らしい。北海道全域に
その遺構が残っています。文献がないので、詳しいことはいまだに謎多き場所なのです。
ちなみに「ユオイ」は「冷たい水」という意味だそうです。いまは悲しいことに
「淀んだ水」ですが。


これは掘ったのか、自然にできたのか。


冬には子供が橇遊びをするのにいい場所かもなあ。


こちらは「オキクルミの像」。アイヌ伝承の英雄神で、アイヌ民族の祖とされる
神様だそうです。アイヌ語で「人間みたいな神」という意味だとか。剣を持って
いますねえ。



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