さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

シベリア鉄道の一日 食堂車はいかに

2018年09月29日 | ロシア



イルクーツクを出てしばらくすると、バイカル湖が見えてきました。「おおっ!」と
言うと、下段のおじーさんが「ここに来て座って見ろ」と自分のベッドに座らせてくれ
ました。しかしシーツを敷きっぱなしで枕もあるし、おじーさんの隣に座ってゆっくり
する気になれません。昼間は下段で座ってのんびり車窓を見たいなあ。



バイカル湖は数時間見えていました。なにせでかいし、列車も遅いし^^;



どうやら乗ったときに1回だけ、こういうランチパックが支給されるらしい。ま、生き
延びるための食料という感じでしょうか。乗り込む前にかったまずいおかずパン2つと
これがあれば、悠々3日はもつか?ま、食堂車も見てみたいしね♪



ベッドの上段でずっと横になっているのもなんだし、狭い通路に立って外を見ていました。
そういう人もちらほら。するとご覧の通り、火事?工場?



すごい規模の煙でした。もし火事だとしたら、町の一角全部が燃えたくらいの大量の
煙が空を覆っていました。



コンパートメントの下階は老夫婦が寝ていたり何かを食べていたりなので、しかたなく
廊下で立って外を見ていましたが、車両連結部のデッキだと少しゆったりと窓の外を
見ることができました。ここは冬だとマイナス何十度になり、手袋をしないとドアノブに
手がくっついてしまうそうです。



だんだん夕方になってきました。ロシアの大動脈、シベリア鉄道の沿線ですから、
いちおう家が散見されるんですよね。もちろんまばらですけど。ロシアの面積は、日本の
約47倍です。しかし人口は日本の1億3千万に対して、1億4千万台。人の数は
それほど変わらないのです。それじゃあ広い、と感じるだろうねェ。



たまに「おっ写真に撮りたい」と思うような、きれいな景色があります。しかしずっと
カメラを構えているわけにもいかないですからね。やはり実際に見るのが一番^^



おお、人の手が入っている土地だ。



老夫婦なので、わりとこうやって寝たり起きたり。これじゃあ俺は上にいるしかない。
上の右には、娘さんの手が見えていますね^^; 俺も横になって本を読んでいると
うつらうつらしてしまいます。適度にガタゴト揺れてるせいもあるか?



外を見ていると飽きません。長い日数を乗るなら、是非ベッドの下段にするべきだと
思いました。上段だと外は見えないんです。ずっと立ってないとw


食堂車に行ってみる。いくつかの情報によれば、「高い」だの「ぼられた」だの、あまり良い
印象はないが、とにかくたっぷり2泊3日だし、行くしかないような。行ってみたら、時間は
夜の8時だけに4組ほどのグループがそれぞれ座っており、その近くの席に座らされた。
しかし隣の中国系ロシア人が何やらごねて大声を出している。おばちゃんウェイトレス2人は
嫌な顔をしながら応対している。中華系デブ男は、頭の片方が刈り上げで片方は長くしており、
気取ったいやらしいやつだ。ブルース・リーの映画に出てくる典型的な嫌われ役。喚き声が
うるさくてかなわん。渡されたメニューを持って離れたところに座らせてもらいました。
おばちゃんも「どうぞどうぞ」と理解を示して迷惑顔。

メニューを見ると、料理の種類はそれなりにある。「あれもない、これもないで結局いいなり
になるしかない」という情報もあったのだが、ニシンの酢漬けを頼んでみたらあったぞ。
太ったおばちゃんウェイトレスにビールも注文したのだが、注文をとってすぐに隣のもう
ひとりのおばちゃんと座って話をしだした。俺の注文はどうなるの?ビールはその向こうに
見えているんだが?

まあ全く急いでいない。なにせ60時間の旅なのである。俺は4人部屋の上段のベッドなのだが、
昼間は下段のベッドを片付けて椅子にして座るのがほとんどのはずなのだ(他のコンパート
メントはほぼみんなそうしていたぞ)。しかーし、我が部屋の家族連れ、下段の老夫婦は
1日中ベッドをそのままにして横になっていたりするのである。つまり俺は自分のベッドで
横になるしかなく、あとは廊下に立つか。なので食堂車でゆっくり座れるのは願ったりなので
ある。ビールはすぐに飲みたいんだが。しばらくすると、おばちゃんBがやってきて、ロシア語
でまくしたてるが、こちらの理解度0。ニシンがないのか?ないなら、そりゃあきらめるしか
ないのだが。まったくわからんでいると、分厚いメモ帳を取り出してきて、手書きのロシア語、
英語の対訳を調べだす。何十ページもあるが、なんとか言いたいことを見つけ出したらしく、
「ポテトのピューレ!」。何を言われようと、「うんうん」言うしかこちらの選択肢はない。

さてビールを持ってくる気配はなく、おばちゃんABは斜め前のボックス席で話にご熱心。
どちらも50過ぎ&をデヴ。ポテトピューレのおばさん、ひざ上のスカートでスリットがかなり
上まできている(そうでないと苦し過ぎるのかもしれん)。こちらを向いて足を組みなおす
もんだから、かなり奥のほうまで見えてしまって「ごふっ!」(吐血200cc

見えちゃって、生きていてよかったなと嬉しかったりするもの:
喫茶店のカウンターの向こうで洗い物をしている女性。下を向いたときにちらりと見える胸の谷間。
半袖を着たきれいなおねいさんが、電車内で吊革につかまっており、ちらりと奥に見えた腋の下。
近所のコーヒー豆の店。店員の清楚な感じのお嬢さん、しゃがんで下の棚の下から商品をひっぱり
出そうとさらにカエルのように低くなったとき、Tシャツが少し上がってジーンズとの隙間から
腰の部分がちらりと見えて、さらに支離の我眼までちらり!

見えちゃって、生きていることに苦しさ悲しさを感じるもの:
もう説明の必要はないだろう。前々パラグラフを読んで想像してくれ。

ニシンとビールが同時にやってきた。ニシンのつけあわせが、裏ごししたじゃがいもだった。
先ほどはつけあわせの選択肢がそれしかない、と言いたかったのだろう。半生ニシンの酢漬けは
旨い!イギリスに住んでいたとき、そこのデパート地下でよく買っていたやつ。なにせなんでも
胸焼けするように油で揚げないと気が済まない国で、さっぱり酢の魚は、救いの味だった。
俺の好きな、居酒屋でよく注文する「〆鯖」に似ているのである。さてロシア号の食堂車、
会計も「お通し」なんかのない、きっちり明朗会計でしたよ。



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