Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 7

2019-07-17 21:13:01 | 古伊万里
古伊万里に興味を持ち、やがて購入するようになる。
そんな中で、当然のように最初は変てこな品を購入することもある(最初でなくてもありますが・・・)
今回の品はそんな頃に購入した品で、正直なところ伊万里ではないと思われる品です。


伊万里では見かけないタイプの変形皿で、見込みいっぱいに細かい筆致で桜花と芝垣と思われる文様が描かれています
サイズ的には横15cmほどですので五寸サイズの変形皿といえます。


側面はこんな感じで、この部分にも青海波文と亀甲文のようなものが絵付けされています

かなり高い付け高台には怖ろしく雑な櫛歯文が描かれています


この雑な櫛歯文は幕末~明治の平戸に見られますので、最初は「平戸か?」と思ったものの
古伊万里収集の大先輩より、「平戸はこんな雑ではないし、土も違う」と指摘され
それ以来、どこの焼物なのか不明の品として奥底へ仕舞い込まれることとなった、ある意味では不幸な品でもあります。

随分と前に、地元の骨董屋さん(掛け軸、茶道具が得意)が、この品の5客揃いを50万を越える値段で売っているのを見かけましたが
どう考えてもそんな立派な品であろうはずもなく、この店の店主も地元では有名人物だったので、「どこの焼物?」と聞けなかったのも現実です。

さて、この品はいったいどこの焼物なんでしょうか?
個人的には「大聖寺」ではと考えていますが、ま~全くアテにはなりません。


酒田をちょっと散歩 15

2019-07-14 19:16:53 | 散歩
散歩シリーズですが、今回は酒田を語る上で最も重要なお寺を紹介します

そのお寺の名前は「泉流寺」で、下の紹介を見ても判りますが、酒田の繁栄の礎を築いた「徳の前」と「三十六人衆」にゆかりの寺です。


以前に紹介した酒田の中心部にある「柳小路」を真っ直ぐ北へ向かった突き当たりにあります


この門の中には二体の仏像が安置されています



門を入ると左側には「徳尼公廟」があります
このお堂の中には1746年に本間光丘が施主となって、わざわざ京から取り寄せた徳尼公の木像が安置されているようです(見たことないもんで)


わりと小さなお寺ですが、なんとも言えない落ち着いた雰囲気があります


ワタシの大好きな酒田出身の俳優、成田三樹夫さんのお墓はこのお寺にあります。

泉流寺から柳小路へ向う道ですが、ワタシが子供の頃(50年以上前)には、この通の左側には小さな焼鳥屋の屋台がたくさん並んでいました。

鮎が三匹

2019-07-12 11:41:05 | 古伊万里
まずはヤフオクに出品された↓の品をご覧下さい
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v638314924?cpaCrumb=9cdcdaf781766f93b8d449e2e6ab0720d86a58ce7b96a717463be8a8545ea748

古伊万里の世界では特に有名な品のひとつで、図録によく載っている盛期の名品です
ま~、この値段からスタートしている品を真作と思って入札する人もいないと思いますが
このサイズの画像で見る限りは良く出来ています。(プリント?)

この品の贋作は以前から出回っているようで、図柄は微妙に違いますがワタシの所有している
1999年に学習研究社から発刊された「骨董の名人に聞くやきものの見分け方 伊万里」にもこの品の贋作が紹介されています。

表に関してはもっと大きな画像でなければ判断できませんが、裏は比較的わかり易い部分であるように感じます
小さな画像ですみませんが、下記がこの品の真作の裏面です。


唐草文の丁寧さ、バランスのよい絵付けには雲泥の差があるように感じるのはワタシだけでしょうか?
真作はまさに盛期伊万里ですが、贋作は普通の中期古伊万里と大差ないように思います。

正直なところ、このような名品は貧乏サラリーマンには縁遠いこともあり、実物を見たことがありません
そんな人間が画像だけで真贋をどうのこうの語ること事態がおかしいのかも知れませんが
こういった品がこれから100年あるいは200年後に「真作」として流通するなんとことがないことを希望します。

酒田をちょっと散歩 14

2019-07-09 20:31:44 | 散歩
 え~、このところ休日に雨が降ったりとかで散歩できないもんで、とりあえず手持ちの画像から紹介します
今回は酒田駅から歩いて10分程度のところを中心に紹介します

まずは「あいおい工藤美術館」です
私設の美術館ですが、昭和3年に建てられた元質屋の母屋と土蔵を利用しています。(紹介はコチラでどうぞ)


工藤美術館の前の通りを西へ向っていくと、右側に法華宗のお寺「妙法寺」があります

本堂は酒田の寺としてはちょっと変った造りでしょうか

伏見稲荷のようにはいきませんが、本堂の左側にはこんな場所もあります

妙法寺の前を西へ向う通りですが、この通りの左側の景色はワタシが子供の頃からほとんど変らないような気がします(雰囲気が好きです)


駅前方面に戻ると通称「キュウリ天王山」こと「八雲神社」があります
7月14~15日が「キュウリ天王祭」で、この日に持っていったキュウリをご祈祷してもらい
このキュウリを食べると一年間無病息災で暮らせるという言い伝えです。


最後にもうひとつだけ、以前に紹介した本間美術館の黒塀の路地を突き当たった場所にあるのが「福稲荷神社」です






回想の古伊万里 6(桐文長皿)

2019-07-08 20:24:50 | 古伊万里
ウチにある古伊万里はわりとキズ物が多いんですが、今回の品も「立派な傷物」です

色絵桐文長皿


一般的には色絵柿右衛門様式に分類されるようですが、タテ10cmXヨコ21cmというサイズの長皿です
文様的には至ってシンプルで、左半分に端正な桐文を描き、右半分は余白です
このバランスの絶妙さはやはり柿右衛門様式と呼んでいいように思われます。


この品、見て判るように桐文の左側が割れたのを焼継ぎされ、そこからニュウがのびています
さらに見込みにあるフリモノは明らかに焼継ぎの時に出来たもののようです。



落款はウチにある唯一の「大明嘉靖年製」、側面は雷文が描かれています。

貧乏サラリーマンには完品はまずもって購入不能な品ですが、購入価格はなんと8000円でした。
というのも、この品を扱っていたのは古陶磁の専門業者ではなく、普通のリサイクル業者だったんであります

立派なキズ物で参考品とはいえ、安く買えたことを喜ぶべき品のようです。