Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

裏側の風景 5

2022-09-02 20:34:21 | 古伊万里
 いよいよネタ切れの裏側シリーズですが、今回はちょっとだけ個性的な裏文様の品を集めました。

①  まるで書家の筆跡のような力強く太い裏文様です

余白の取り方は延宝期の柿右衛門様式に近いですが、呉須や絵付けの感じからは寛文期の印象があり
過渡期的な特徴を持っているとも言えます。


➁ 唐草繋ぎだとは言えますが、極めて繊細な印象の作例

表は蛸唐草に龍文ですが、やはり盛期伊万里と呼んでさしつかえないでしょうか。

 
③ これは江戸後期の作例で、千鳥と遠山が描かれていますが、落款もユニークですね

形から推測できるように、帆立形の小皿で江戸後期の品です


④ 唐草の原型のようなものかも知れませんが、随分と手の掛かった裏文様です

表は寛文期に見られる「武」を中央に描いた品ですが、見込み周囲の文様との組合せは珍しいでしょうか


⑤ ④と似たような作例ですが、若干簡略化されている印象です

表は寛文期に見られるタイプのものです


こうして見ていくと、少なくとも寛文~延宝初期まで個性的な裏文様が多かったことが判ります。