Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 76(染付三階松文小皿)

2020-08-18 22:53:10 | 古伊万里
 ウチにある古伊万里は一応、100種類以上はあるんですが、何せ恥ずかしくて出せないようなショボい品もありますんで
とりあえず出し惜しみしつつ紹介しております。

今回紹介する品は江戸前期~中期と思われる染付の小皿です
「染付三階松文小皿」


見込み中央に三階松だけを描いている、実にシンプルな文様の小皿です
伊万里の場合、松が単独で描かれるケースは少ないように感じますが、実際のところは判りません。
この品の場合、縁文様が特徴的で、このあたりの時代に見られる波のような連続文様が描かれています(何という文様かは知らない)
正直なところ、この品を購入しようと思ったのは、このタイプの縁文様の品が欲しかったからでありまして
七寸サイズなら見栄えがするんですが、予算の関係で小皿になってしまったというのが現実です。


縁文様の拡大ですが、薄濃みによるグラデーションはなかなかの出来栄えで、この部分だけ見れば
盛期(延宝~元禄)あたりの品という印象ですが、裏面を見ると微妙な感じになります。


この手抜きのような裏文様は、寛文末期あたりと思われる品に良く見られますので、そういった意味では
寛文様式から延宝様式への移行期の品という感じもします。
小皿ですんで枚数があればと思いますが、なかなかまとまった数では市場に出ないようです。

蛇足ながら、この品の三階松文は上から二番目の松が右へ寄っていることから、「右三階松」と呼ばれるようです。