Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

シェラ・デ・コブレの幽霊

2019-05-29 23:08:51 | 映画
恐怖映画(あえてホラー映画とは呼ばない)は星の数ほどあるものの
ここ10年ほどの間で、日本で最も話題となりながら見ることのかなわなかった作品
それが「シェラ・デ・コブレの幽霊」です。
世界に2本しか存在していないフィルムのうち1本は日本の映画評論家が所有しているものの
著作権の関係でソフト化できず、一部の映画祭で上映されたものの、個人的には生きている間は見れないだろうと思っていた
まさに「幻の映画」でした。


本作はもともとアメリカでTVシリーズのパイロット版として製作されており、この54分ほどのフィルムに
いくつかシーンを加えて81分の作品として劇場公開することになりました。
しかし、その試写会の時にあまりの怖さに気分が悪くなる人が続出し、お蔵入りしてしまったと言われています。
とはいえ制作費を回収する意味で海外へフィルムの貸し出しを行い、結果的に日本を含む何カ国ではTV放送されています。
ちなみに日本で放送されたのは、1967年8月20日で、淀川先生の解説でお馴染みの「日曜洋画劇場」でした。


この作品、放送当時に見た人たちは強烈に印象に残ったようですが、放送から40年以上経ったことで
「幻」というよりは「記憶の彼方の作品」というのが実際でありました。
そんな作品が一躍多くの人に知られるようになったのは、TVの「探偵ナイトスクープ」にこの映画を探して欲しいという
依頼があったことに端を発します。やがてこの貴重なフィルムの一本が日本にあることが判り映像こそ出せないものの
番組で取り上げられるに至って、本作は「史上最も怖い幻の恐怖映画」という評価が一人歩きすることになります。

ワタシもこの映画をなんとか見たいと思っていた一人でしたが、昨年アメリカでソフト化されたのを知り
今年に入ってなんとかブルーレイを入手することができました。
このブルーレイにはTV版の54分版と劇場用の81分版の両方が収録されていますが、最大の問題は海外版であるが故に
日本語吹き替えは当然、日本語字幕もないということで、英語が堪能な方はともかくワタシには少々ハードルが高いという点でした。

ま~、英語のセリフをそのまま聞いて理解するのは無理なので、英語字幕を表示しながら見たんですが
字幕を読んでいるとストーリーに追いつけなくなって、見ている気がしないという困った事態に陥ったのは言うまでもありません。
そこでネットで調べたストーリーを頭に入れ、なんとか雰囲気優先で見たところ、ようやっとこの映画の魅力が伝わったというのが現実です。

ちなみに、コチラでTVバージョンの全編が見れるようですので、英語の堪能な方はどうぞ。

「幻」は「幻」のままの方が良かったかな?、という思いもありますが、見る価値のある作品であることは確かです。