タモリのインテリジェンスにかなわないビートたけし。
明けましておめでとうございます。本年も、政権批判に声を上げます。
以前にも記述したがビートたけしは機を見るに敏な芸人である。1918年にたけしの番組に安倍が出演した後でアタマノいい人と大絶賛した。そして最近は国葬についてはモリカケ問題などのことで懐疑的な発言をした。
安倍が首相を止めた時点では、汚点を残さずうまくやめたと皮肉った。安倍の影響力が薄れたことを見抜いての発言であろう。弟子の太田光の統一教会擁護に比べれば変わり身が早い(太田さんは統一教会信者かもしれない)。庶民に徐々に積もっていた安倍への不満が世の中に広がっている情勢を見ながらチクリとやるところは大衆芸人としてのそこそこの才がある。しかし皮肉にピリ辛さや腑に落ちる味わいはない。誰もがツィートしていることと同じ内容であり、たけしの存在感で話題になるだけだ。
タモリは実に深い。徹子の部屋で、これからの時代、戦前に回帰するのではないか。と言ったことが話題になっている。私は上手い表現をするなーと感心した。
右翼化しているとかの直截的な表現では、あっ!タモリもそう思っているのだなー、程度の印象になるが、戦後民主主義を否定してまた同じことをやろうとしている我が国の状況を的確に簡潔に表現し、その暗黒時代への私の怯えも掬い取ってくれている。
もう、占領されてもいい、みんな身も心も疲れ果て平和で自由な社会に安堵し、二度と戦争はごめんだと思った。ところが国会を無視し、一部の閣僚だけで強引に決定する。三権分立は毀損し権力に忖度する司法、教育勅語をよしとする教育方針(日本会議が統一教会と連携してくれている。自民党に託す)、たくさん書き出せるがそうした権力の数々の横暴に危機感を抱く真っ当な国民の思いを表現してくれている。
タモリのインテリジェンスはギャグにも反映されている。
それは赤津不二夫とのコントやモノマネでも見られる。昭和天皇のモノマネなんぞ天皇の愛される人柄を彷彿させながらも戦争責任を忘れていないとの含みも見えた気がした。赤塚漫画のシュールなギャグ、モダンジャズの前衛、それがタモリの奥深くに根付く批判精神を創り出しているに違いない。
マイルスに痺れたタモリに迎合や忖度は似合わない
タモリのジャズ番組を観るとトランペッターを志し、早稲田のジャズ研でペットを吹いていたタモリは前衛を知っている。前衛は革新を目指す。そこには絶えず進取の気性が創意工夫に取り組むエネルギに満ちあふれている。
あまり政治的な発言をしない。確かに人気商売だから抑制しているのだろう。笑いの面白さと対照的に軽薄さは感じられない存在感がある。
そしてたまに政権の政策について婉曲だが皮肉がたっぷりと煮詰めた濃厚な発言がでてくる。これからのとんでもない時代への危惧、そして知的な批判。たけしにはできないであろう。
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