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玉置浩二の出逢い。感度が染みてくる。

2024-03-21 16:13:20 | 日記
玉置浩二の出逢い。
玉置浩二の作品のなかで、落ち着いた気品のある楽曲。はじめにピアノの穏やかで粛としたイントロが深く染み渡る。
ソ↗ラ↗シ↗レ↘ロの繰り返しが心を静めてくれる。
そこから玉置のかすれた哀愁の声が遠くに届けるかのようにいたわりをもって運ぶ。
♪連絡はないけどー元気にしてーますか 
好きだったあの声 耳に残ってる
そばにいなくても だきしめられていたのでしょうか
あなたに つたえたい
このぬくもりを
連絡はーの音階は徐々にせりあがる、郷愁のメロディ、つまり甘酸っぱい思いに浸りたい気持ちが漂う。記憶のなかでいつも鮮やかなのが人の声。
好きだったあの声 耳に残っている
このフレーズは非常にリアルに寂しく、いとおしく迫る。
この楽曲は元妻の安藤さとこが創作した。詞は松井五郎である。去っていった自分の愛する人を想起している玉置浩二の心情が響いてくる。
そして最初のフレーズの音階で締め括る。
覚えていますかいまでもあの歌をー。
収束と余韻。森の爽やかで冷たい空気が靄となって流れている。そして彼女への想い。

まるで創作した当初から安藤さと子との別れを述懐する場面を思い描いていたかのようである。しかも彼女が創ったメロディなのである。
https://sp.nicovideo.jp/watch/nm9362660
[私小詞歌手]としての玉置浩二のしぼりだす作品である。しかし安藤さとこはその時にはこのことを予測もしていなかった。
この人生の皮肉な結果がますます感慨深い味わいとなっている。
過去の想い、胸を締め付ける映像が一枚一枚自分宛の手紙のように浮かんでくる。こうした楽曲は今現在のポピュラー界からはでてこない。
楽曲は浮遊しているのだ。その時の風に、空気になびきながら。またいわゆる永六輔、阿久悠達のような創作と歌詞表現に凝る作詞家と違い、感度を研ぎ澄ませる作風が染みてくる。

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