gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

原発推進の安部官邸の暗躍を暴く映画[新聞記事]

2019-07-12 11:38:44 | 日記

日本では画期的な映画。[グッドナイト▪グッドラック][·ペンタゴン▪ニュースペイパーズ]などのようにジャーナリズムが圧力、いやがらせの恐怖に屈せず毅然と戦う映画は日本では見ることができないとあきらめていた。ところが最新の時事ネタをベースに公開というタイムリーさもさることながらエンターティメントとしても面白く、十二分に堪能。権力の不気味が全編に漂い締め付けてくるサスペンスが良い。
権力の暴走を監視し不正を露にするジャーナリスト達にとって最も辛いのはボツにされること。様々な圧力をかいくぐり新聞が印刷される映像は勝利の高揚感をもたらしてくれる、戦うジャーナリズムの映画で多く見られるこの場面は本作品でもやっと日の目をみた安堵感も感じさせてくれる。
ペンタゴンニュースペイパーズを見て緊張感漂うエンターテイメントはスピルバーグだからできるのか、日本では地方新聞の頑張りを描いた青山真治監督ならば創れるのか、など考えていた。
この作品の監督を私は知らないので、エンターテイメントとしての期待はあまりなかった。ところが、上質なサスペンス映画として仕上がっていた。
内閣府の不気味な圧力がレイプもみ消しの伊藤詩織さん事件、もりかけ事件で誹謗された元事務次官の前川氏などを背景にして、内調に出向した外務省の人物が自殺をした事件を追う展開に。多くの人間が疑惑とおもっている事件の中核に官邸があると推測できるようにシナリオがつくられており、もやもやした疑念が権力の悪辣な構図として明解に見せてくれる。政権の圧力に耐えながら現場を統括する上司と記者のやりとりも非常にスリリングである。
内調の統括者が部下に、政権に楯突く者は反日であり、その人間を押さえるのは役人のつとめであると説得するそのセリフは今日の官僚の実態をリアルに映しだす。
内調の協力者が上司のえげつない指示に反発をして正義を実行するのは、役人としての希望と誇りの原点を見失いたくないからである。そうした正義感と志を見失わない役人への応援でもある。
内調の部屋が無機質で、まるでロボットのようにパソコンに対峙している職員達の不気味さも良い演出である。自我を殺して指示どうりに仕事をしているであろう現場をうまく演出している。