Runrun日記

最近読んだ本ー擬宝珠のある橋



宇江佐真理 著 「髪結い伊三次捕物余話 擬宝珠のある橋」 文藝春秋

昨年11月に、宇江佐さんは亡くなってしまった。この「髪結い伊三次シリーズ」は、未完となってしまった、というか、元々宇江佐さんは、何処でお終いという気持ちは無かったのだろう。初刊の「幻の声」は1995年のオール読物に掲載されたというから、20年の間、このシリーズを描く事をライフワークとして来られたのだろう。してみると、このシリーズの主人公たちは、宇江佐さんの分身なのだ!

このシリーズの最終巻!月夜の蟹擬宝珠のある橋青もみじ 三話と、伊三次たちの物語の中で途中抜けていた10年を描いた 月は誰のもの が掲載されていた。

身のない蟹の事を、月夜の蟹というらしい。知らんわね!そんなこと。転じて、中身のないことのたとえとか。
月夜の蟹は、みそ汁にするとだしが良く出て美味しいとか。先日、お隣から蟹を貰ったが、食べられなかった。みそ汁にするとよかった!? この小説では、中身のよく分からない事件や人達を、月夜の蟹ともじっているのだろうか?

宇江佐さんは、このシリーズを、家族の話としてでなく、「人が人として生きていく意味を追求したい」と書かれていた。
伊三次とお文の家族、不破家の家族の話だが、その人たちを通してのしっとりとした人情物の小説? そう簡単に言い切ってはいけない小説なのだろう。

この小説のお気に入り度:★★★★☆

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