robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

名人戦第三局

2008-05-10 09:52:42 | 将棋な私
福岡ヤフードーム隣のシーホークホテルで指された第三局。

「50年に1度」「いや100年に1度か」と謂われる程の大逆転。
後手番羽生が勝ち、これで●○○で2-1に。

非勢になってからの粘りで定評のある深浦王位(現地解説)でさえ、「なんなんだこの人(羽生)は!」と呆れつつ慨嘆したという終盤の我慢、粘り、うっちゃり。いわゆる羽生マジックとは若干ニュアンスが違う要素も多少混じってはいたが、とにかく伝説に残る大逆転の棋譜が残された。

去年の森内郷田の終盤の大逆転はいわゆる「一手ばったり」だった。今回も王手で素抜かれ只で銀をとられる大ポカが最期に出たものの、そこまでに大劣勢を勝負形に復元する羽生の妖気漂う勝負術があってこその大逆転。

ちょっとだけ自慢させてください。第二局終了後のrobiheiのポストが下記

>第一局・第二局とも見ていて相当神経を使う将棋が続いている感じ。
>
>■森内はこと羽生相手だと暴発して負けることがない。我慢強く間違えない森内を
> 負かすのは、心底骨が折れそうな感じである。羽生も大変。
>
>■羽生は羽生でビックリ箱のような手を常に警戒しながら負かさないといけない。
> 森内と云えども微差のリードでは指してるうちに体を入れ替えられてしまう
> リスクが相当大きい。神経を使う。森内も大変、より大変かな?
>
>ともかく、「リードした方が、渡っている内に磨り切れそうな綱を渡り切って勝
>つ」という将棋が続きそうな感じ

本局は微差でなく大差、それも「投げ所は?」という程の大差だったが、やはり手順を尽くしての羽生の粘りに、最期に根負けした森内がポッキリ行ったという構図は予言どおりといって差し支えないと思う。本局は森内の綱が擦り切れて奈落へ落ちた。

あまりに月並みなので普段はこういう言い方は絶対しないんだけど、昨日の対局に関してだけはさすがに少し「将棋の神様の意向」を感じてしまった。

「勝負に絶対はない」のはお互い重々承知の上とはいえ、この逆転はどう表現したものか…という感に堪えない。

今回の将棋は対局当日の現地や東阪の将棋会館での解説以外にも、普及のため史上最多の45都道府県の延べ50箇所以上で今日明日も含めてプロ棋士たちが手分けして全国で解説会開催という偶然のめぐり合わせもついている。

将棋の怖さ・面白さ・名人位の値打ち…いろんなものが伝わる絶好の機会になる。題材としては最高のものが用意されたということである。

羽生は昨日までの福岡から今日帰京して明日の夜には大和證券杯で渡邉と対局。「ネットでは勝たせてください」と低姿勢ながら虎視眈々と羽生の後を襲おうと目論んでいる渡邉竜王との対局は、日曜夜のライブコンテンツとしては最高である。

興味のあるかたは日本将棋連盟のHPから大和證券杯をのぞいてください。