robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

プチ竜王戦ドリーム

2008-05-02 11:36:34 | 将棋な私
中原誠という棋士がいる。

オン歳とって60歳かな。かつての大名人、十六世の永世名人の資格も持ち、今春から現役ながら十六世名人の肩書きでまだ現役棋士をやっています。こないだ何たら褒章も受けてたかな。

プロ棋士に言われる一般論として、年輪が棋力を補い、大局観が歳とともにより優れるようになるといった要素が多少はあるとはいえ、50過ぎてからの、例えば詰め将棋を解く速度とか、反射神経的な棋力(気力も?)の衰えはさすがに覆いがたいものがある。

彼自身も順位戦という名人につながる棋戦からは数年前リタイア、今は順位戦は指さないフリークラス棋士という肩書きで、定年待ちの晩年棋士。とはいえまだ一流棋士の貫禄を時々見せる、という状況。

この人が今、竜王戦1組(これはこれで立派な立場)の本戦出場裏街道でいい味出している。

現役名人の森内、2冠の佐藤を連破して、あと1勝(おそらくは相手が羽生)すれば竜王戦本戦トーナメント(勝ちあがれば挑戦者になりえる)ところまでたどり着こうとしている。

昔から、棋士になりたてのポッと出の若者でも、確率は低いものの、自らの力を頼みに勝ち続けられれば、いきなり棋界最高位の冠位である竜王になることが可能な途が拓けている。このことを指して「竜王戦ドリーム」という言葉まであるのがこの棋戦の1つの大きな特徴。

竜王戦1組(全6組あり、上の組の方がより頂点に近い)の中原にこの「ドリーム」という表現を使うのはまったくもってふさわしくはないものの、森内佐藤と連破して、羽生まで喰ったら本戦にいけちゃう(本戦での勝ちあがり確率は1/16)という状況は、題にも打ったが「プチドリーム」とでも言うべき状況である。

まあ、羽生に勝つのは至難の業なんですが、もし、万が一、なーんてことがあったら世の将棋好きの好事家のオヂサマたちの心をときめかせる展開とはいえる。

数年前の林葉事件でオトコを下げて、「突撃」とか今でも陰口を叩かれる中原だが、どっこい将棋は小さくなっていない。やはり勝負師は勝ってナンボの世界である。