里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

プルサーマル発電

2010年02月23日 | その他
2月21日の朝日新聞で、
『昨年秋に、玄界原発(佐賀県)で初めてプルサーマル発電の実用化に成功したのに続
 いて、伊方原発(愛媛県)でもプルサーマル発電が始まる』 と報じていた。

何の事かと思って読んでみると、
・使用済燃料はドンドン蓄積されているが、その中にはプルトニウムが1%含まれている
 為に、プルトニウムの蓄積量も増え続けている。
・プルトニウムは原爆へ転用可能な事から、余剰には保有しないと国際的に約束してい
 るし、毒性(放射線)が強いので使用済燃料の処分にも問題がある。

そこで、
『現在でも炉の中では、燃料のウラン235のほかに、燃え難いウラン238も一部が燃えや
 すいプルトニウム239に変わって燃えているのだから、いっその事、ウラン238をもっと
 炉の中でプルトニウムに変えて燃やしてしまえ』
『そうすると、使用済燃料の中の燃えないウランも有効利用できるし、厄介者のプルトニ
 ウムも燃料として使えるのだから、一石二鳥だ!』
という訳で、使用済燃料からMOX燃料を作り既存の原発で燃やす“プルサーマル発電”
をやろうという事になったらしい。

(ウラン燃料の使用前後の組成 及び MOX燃料の組成)
含有成分ウラン燃料使用済燃料MOX燃料
燃えやすいウラン235 3~ 5%    1%    0%
燃え難いウラン 23897~95%   95%96~91%
プルトニウム    0%    1% 4~ 9%
核分裂生成物    0%    3%    0%

なるほど、それだけを見るとなかなか合理的で良さそうに感じるが、一方では次のような
問題もあるらしい。
・リサイクル費用が高くつく。
・MOX燃料は核分裂のコントロールが難しい。
・半減期(放射線を出す物質の量が半分になる期間)2万4千年のプルトニウムを含
 むので、半減期45億年のウランに比べると半減期が約20万分の1と短い分だけ、
 逆に放射線の強さは約20万倍大きくなる。
 その為に、放射線による強い影響を長期間にわたって受ける事になるので、事故など
 で放射線が漏れて人や環境に悪影響を与える事のないように注意が必要。
・又、同様の理由で最終的に発生する高レベル放射性廃棄物の処分も問題となる。

どうもプルトニウムというのは毒性(放射線)が強いらしい。 くれぐれも安全性につい
ては気を配って欲しいものだ!

(以下、Wikipediaから引用)
通常の原子力発電
天然の閃ウラン鉱に約0.7%含まれ容易に核分裂反応を起こすウラン235の濃度を、
約3~5%に濃縮してウラン燃料とし、一般的な軽水炉で発電に用いる。
ウラン235は核分裂を起こし、1g当たりで、石炭3t、石油2,000ℓ分の熱エネルギーを
生み出す事が出来る。 
又、ウラン燃料中の大部分を占め自身では核分裂しないウラン238も、炉内で一部
プルトニウム239に変わる事により核分裂を起こし、熱エネルギーを生み出す。
プルサーマル発電
通常の原発から出た使用済み核燃料を再処理して、MOX燃料と呼ばれるウラン238とプ
ルトニウム(含有量:4~9%)の混合物に変え、既存の原発の軽水炉で発電に用いる。