2020@TOKYO

音楽、文学、映画、演劇、絵画、写真…、さまざまなアートシーンを駆けめぐるブログ。

サマー・ワイン

2009-04-13 | ■私の好きな歌
  
  中山康樹さんの新著「ミック・ジャガーは60歳で何を歌ったか」を読みました。表題のミック・ジャガーをはじめ、ボブ・ディラン、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョンなど、60歳をこえたミュージシャンたちが、今なお果敢に前進しつづけている姿が描かれていて、とても面白い内容でした。

  過去のヒット曲を越えられない、全盛期の勢いはもうない…しかし、ローリング・ストーンズは2006年に新作のワールドツアーを敢行、ディランはいまだにツアーを継続中という具合に、とうに還暦を過ぎた“老ロッカー”たちのタフネスぶりには目を見張るものがあります。

  その中で、久しぶりに思い出した名前が、リー・ヘイズルウッド。この本の中では5人目、「勇気あるラストメッセージ」という章に登場します。

  フランク・シナトラの娘、ナンシー・シナトラが「サマー・ワイン」という歌をヒットさせたのは1967年のこと、ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が世に出た年です。

  当時、私は中学生でしたが、毎晩聞いていたラジオの深夜放送で「サマー・ワイン」のレコード盤がくり返しかかっていて、いつの間にか曲の出だしをそらんじるほどになっていました。

  Strawberries, cherries and an angel's kiss in spring. My summer wine is really made from all these things...

  英語が分かりかけてきている年頃ですから、この歌詞には、じつに不思議な印象をもったものでした。それと同時に、若いナンシーの声にからむオッサンのダミ声が強烈なインパクトで、素直にすくすくと伸びようとしている若いアメリカ人女性を、手練手管のワル男が悪の道に引きずりこもうとしているようで、私ははらはらして聞いていたものでした。

  放送では、ナンシー・シナトラとリー・ヘイズルウッドのデュオという紹介があり、私は頭の中で勝手にリー・ヘイズルウッドという男を、悪役として位置づけていました。

  それから長い間、彼の名前は忘れていました。じつに40年近い間、忘れていました。今回、この本に出会い、リー・ヘイズルウッドという人が何ともカッコいいオッサンであることが分かりました。

  つづきは明日のブログにて…。
コメント
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