2020@TOKYO

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才アケタのつぎは、天才グールド

2007-10-22 | ■芸術(音楽、美術、映画、演劇)

  昨日は、天才アケタの「シチリアーノ」について書いた。セッション中に演奏者同士が殴り合いの喧嘩をはじめるという『貴重な』CDについての事々だ。

  そこで、有名なマイルスとモンクのクリスマス・セッションのことについて少し触れたが、その後、クラシック界での喧嘩セッションを思い出した。厳密にいえば、これは喧嘩セッションではなく、『意見が合わないけど、とりあえず演奏しちまえ!』というやけくそセッションである。

  グレン・グールドという不世出の大ピアニストが、早い時期からライブ活動をピッタリと止めてしまい、レコード録音の世界に没入したのはご存知のとおり。とはいえ、若い頃は演奏活動もしていて、それらは正規盤、海賊盤問わずそこそこ市場に流通している。

  その中でもこれは、正規盤ながら異色の一枚。グールドがブラームスのピアノ協奏曲第1番を弾いたもので、伴奏はレナード・バーンスタイン指揮によるニューヨーク・フィル。

  何が異色か?じつは、演奏が始まる前に、指揮者バーンスタインによる異例のスピーチがあり、これがそっくりレコード(CD)に収録されているのだ。スピーチの内容はこんな感じ。『グールド氏と私はこの曲の解釈に関して意見があわない(筆者注:たしかテンポについてだったと思う)。したがって、これからの演奏はそのような事情を背景に行われることを分かってほしい』。

  共に超大物同士の大ハプニングである。さて、演奏がいかなるものに仕上がっているか?一度、聞いてみる価値はある。HMVのネット通販では、1,213円で買えますよ。
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