今日、宝塚歌劇 花組公演
『黒蜥蜴』と『タキシードジャズ』を見てきました。
『黒蜥蜴』はあの江戸川乱歩の原作ですが、有名な三島演出版で強調されていた
肉体への偏愛。企みへのゴシックな愛情と言うところをすっぱり無くして、
戦争孤児だった黒蜥蜴と明智の、人への純粋な愛情というところに重きを置いた
演出になっていました。
ただ、一言で言えば題材が宝塚向きでなないですね。木村信司さんは頑張っていましたが、宝塚座付きの作家さんが脚本と演出をかねるというスタイルは今回は
裏目に出ていた気がします。
やはりある程度、黒蜥蜴の神出鬼没なところは演出で見せていかなければ
いけないですし、逆にミステリーを支える脚本的な仕掛けもしっかり詰めないと
いけないと思いますが、とくに脚本が甘く、トリックのところでリアリティーが
無いので、心が離れてしまう気がしました。
今回はその芝居のほうがメインではなく、私はレビューを楽しみにしていました。
宝塚のレビュー作家として、新進気鋭と称される「荻田浩一」氏の演出作品には
以前から興味があり、今回やっと見る機会が出来たのです。
なるほど、みてみると宝塚の伝統に乗りつつも、レビューの新しい風を感じさせる雰囲気がありました。特に中詰めは見事な演出だったと思います。
選曲も、コールポーターや、ガーシュインばかりでない、大人の選曲で、
ベルエポックでないジャズの様子をしっかりと捉えていたと思います。
ただ、レビューの巨匠岡田敬二氏や、草野旦氏のような、ちょっと叙情性を感じさせる、いわゆる泣かせのところは、ちと弱いというか、そういうものを志向していない気がしました。
あと、中詰めが盛り上がった分、大階段はあっさりでしたね・・?
でも、非常に内容の濃い、なるほどと思わせる作品でした。
『黒蜥蜴』と『タキシードジャズ』を見てきました。
『黒蜥蜴』はあの江戸川乱歩の原作ですが、有名な三島演出版で強調されていた
肉体への偏愛。企みへのゴシックな愛情と言うところをすっぱり無くして、
戦争孤児だった黒蜥蜴と明智の、人への純粋な愛情というところに重きを置いた
演出になっていました。
ただ、一言で言えば題材が宝塚向きでなないですね。木村信司さんは頑張っていましたが、宝塚座付きの作家さんが脚本と演出をかねるというスタイルは今回は
裏目に出ていた気がします。
やはりある程度、黒蜥蜴の神出鬼没なところは演出で見せていかなければ
いけないですし、逆にミステリーを支える脚本的な仕掛けもしっかり詰めないと
いけないと思いますが、とくに脚本が甘く、トリックのところでリアリティーが
無いので、心が離れてしまう気がしました。
今回はその芝居のほうがメインではなく、私はレビューを楽しみにしていました。
宝塚のレビュー作家として、新進気鋭と称される「荻田浩一」氏の演出作品には
以前から興味があり、今回やっと見る機会が出来たのです。
なるほど、みてみると宝塚の伝統に乗りつつも、レビューの新しい風を感じさせる雰囲気がありました。特に中詰めは見事な演出だったと思います。
選曲も、コールポーターや、ガーシュインばかりでない、大人の選曲で、
ベルエポックでないジャズの様子をしっかりと捉えていたと思います。
ただ、レビューの巨匠岡田敬二氏や、草野旦氏のような、ちょっと叙情性を感じさせる、いわゆる泣かせのところは、ちと弱いというか、そういうものを志向していない気がしました。
あと、中詰めが盛り上がった分、大階段はあっさりでしたね・・?
でも、非常に内容の濃い、なるほどと思わせる作品でした。