林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

育伸社の方とーー『シリウス発展編』について

2011年03月09日 | 英語学習
今日、育伸社の方が、わざわざ我々のような超小規模塾のところまでお出でになった。ちょっとびっくりであるが、楽しいひとときであった。当然、『シリウス発展編』の話題で盛り上がる。

*『シリウス発展編』を利用している塾は、関東圏では当ゼミのほかには一つしかないということ。

*某有名中高一貫校で、『プログレス』と『シリウス』の両方を採用していたが、ふたつを両立することは出来ないので、『プログレス』を切ったら、俄然生徒の英語力が向上したこと。

*関西の野球の強い私学で、『シリウス発展編』が何人(何十人?)の生徒で大成果を上げていること。


もちろん一番注目すべきは、『プログレス』と『シリウス』のうち『シリウス』をとって『プログレス』を切った話である。私たちも、その方針で正しいと考える。神奈川県でもいくつかの有名中高一貫私学は『プログレス』を採用しているようだが、こういう決断を見習ってほしいものだとつくづく思うのである。

我が塾生にも、『プログレス』(あるいはBやT)と学校の勉強は適当にやることにし、『シリウス』に焦点を絞るようにと呼びかけているのである。大事なのは本物の英語力を育て、一流大学に合格することではないか。そのためには、特別な天才を除き、まずは体系的な文法力を構築する方がベターなのだ。

小田急江ノ島線東林間駅から徒歩3分(中央林間・相模大野から一駅)

私立中高一貫校生対象英語完全個別指導塾
プログレス・バードランド・ニュートレジャー対策
大学受験・筑駒/開成受験対策

東大式個別ゼミ

西きょうじの誤訳・再び、culturalとは何か?

2011年03月09日 | 英語学習
ちょっと前になるものだが、西『英文速読のナビゲーター』の第2章「双子の作り方」のCultural Variationsの意味と訳について論じたことがあった。この記事との関連で、ご意見もあったことであるので再度とりあげてみよう。また、西のテキストの文章も再度アップしてみよう。

前回は"the cultural variations”がおそらくは「双子の出生率の差異」を指しているだろう、そしてそういう生物学的な現象を「文化的差異」と訳して良いモノだろうかと述べた。(西の誤訳か? 英文のミスか?とも書いてみた)。そのときの私はあまり辞書を持っておらず、結局はよく分からなかったのである。だが幸いなことに、今ではipod touchにたくさんの辞書が搭載されている。今回、とくに参考になったのが、The American Heritage Dictionaryである。

culturalを次のように定義してあるのだ。

Cultural =Of or relating to culture or cultivation


Oxfordの辞書とは異なっており、culturalもcultivationと関連しているというのだ。

さらにcultivatedをひけば、さまざまな動植物の成長に関わる非常に広い語彙があることがわかる。(これも写真参照のこと)。結論的に言えば、"the cultural variations”が「双子の出生率の差異」を意味しているのでしょうし、「出生的差異」とでも訳すべきでしょう。

つまり、"the cultural variations”を「文化的差異」と訳すべきではなく、西きょうじはちょっと誤訳していたということになる。


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次にOzaさんのコメントを検討してみよう。(テキスト全文を書き写すのは大変なので、テキスト(西『英文速読のナビゲーター』)の写真を取ってアップしておきました)。

>ま、とにかく、この文のculturalは、普通に、「文化的」とかに訳せば十分です。

真面目に議論するのであれば、上の「ま、」のような表現はいただけませんね。もう少し基本的な日本語を勉強しておいたほうが良いでしょう。馬鹿にされてしまいますよ。そのうえで議論すれば、「「文化的」とかに訳せば十分です。」というのは、問題外の暴論でしょう。私のブログ記事の最大の論点は「cultural」の内実に関わることだからです。

>写真を本文中で、「ここがメインテーマ」とマークされているところは、日本語にすれば、「人種的な背景が、双子の生まれる確率を決定しているようにも考えられる」ということです

これについては、賛成です。

>がしかし、これにたいしてこう反証する人もいるだろう、として紹介されているのが以下の文で、"It could be argued against this that it is differences in climate rather than in racial factors that cause the cultural variations.

ここも賛成です。

>以下の西先生の訳は100%誤訳です。
「文化的差異を生じさせるのは、人種的要因の差異よりはむしろ気候の差異であると論じることができる」

>この人は、"that cause the cultural variations"のthatが指しているものがit is differencesのitだと解釈しており、それが間違いです。thatはただ単にracial factorsを説明しているだけです。


ここは全く同意できません。

なぜならば、後半はthat以下が強調構文であると西が論じているからです。強調構文なのに「thatが指しているモノがit」であるはずがないではないですか。また、thatが直前の racial factorsだけを指しているというのは、あまりにも不自然です。


it is differences in climate rather than in racial factors
that causes the cultural variations    (別冊9頁参照のこと)

that causes the cultural variationsのthatが指しているのは、 differences (in climate rather than in racial factors) となるでしょう。(It is A that VO.の強調構文だということです)。


>で、itが本当に意味しているのは、直前に述べられた、"the thing which plays a part in determining how likely a mother is to have twin babies"です。

またもや、「で、」ですか。これは悪い癖ですから早く治しましょう。

それはさておき、このozaさんの議論は決定的なミスがあります。もし、西が誤訳であるというのであれば、西の仮主語説(最初のIT)*強調構文説(次のit is ….that )を真っ先に批判すべきでしょう。ところが、それを全く言及しないのは、どういうわけなのでしょうか? しっかり、西の本を読んだのでしょうか?

西が誤訳であると大胆な主張をするのに、西の明快な日本語を理解できないというのでは、申し訳ないですが、Ozaさんの解釈は検討に値しないということになります。

私は、西の構文解釈については、間違っていないと考えます。