ぞな通信

四国・松山生まれ、在米25年、Zonaの日常生活。

飛んだ濡れ衣

2008-05-25 22:09:54 | Weblog
先月4月に帰省したとき、父は支えながらも自力で歩いてトイレに行く事が出来た。
今月5月に帰省した時は、自分で立ち上がることはほぼ不可能だった。
徐々に体力脚力が無くなって来ている。
だから今はおむつをしている。
ご飯を自分で食べることはできる。
支えがあればよっこいしょと体をたてて座ることもできる。
まだ食べられるから良しとしよう。

スイッチもオンの時が少なくなって来ている。

ずっと寝ぼけた会話が続くが、娘とその点そう変わらない。

数日前の夜、巡回していた看護婦さんが、私たちのいる部屋に入ったら、

「あれ、ぶーの臭いがしますね~。お腹はってますしね~」

とおっしゃった。

同室にいると臭いにも鈍感になってくる。

彼女が出てちょっとしたら、父は浮腫で膨らんだ足の痛みが酷いらしく、

「いたたたた~!」

と叫んでいたので、夜中だったこともあり看護婦さんを呼んだ。

こういう場合、だいたい座薬や注射をするとおさまって寝てくれるのだが、その夜看護婦さんは注射をする代わりに、お水の入った容器を持って来た。
なにをするのかな~と思っていたら、詰まった便を出すべく指を入れたりお尻にお湯で刺激をし、 便を出そうと試みた。
さっきの臭いで、注射よりも排便を優先したのであろうか。

横向きに父を寝かせて、私は父を支えた。
看護婦さんは片手でお尻を押さえながら、手際よくお尻を刺激しながら便を出させた。

するとにょろにょろと軟便が出始めた。
たまっていたからすごいすごい。
もうそろそろ終わりかな~、と思うとまた出始める。
そんなことがしばらく続いたら、部屋中臭い臭い。

父は、私がうんちをしていると思い込んで、

「お前、恥ずかしゅうないんか。お父さんは飽きれはてた!」

と、父の体を支えている私の腕を精一杯の力でつねった。
飛んだ濡れ衣よのう・・・

そして、うんちが出切ったところで、看護婦さんが、

「五・つ・子・誕・生・・・・」

と言った。

父は、

「これがほんとの運の尽き。運も尽き果てました。」

と、言った。

一体どこから正気でどこからボケなのか境界線が本当にわからない人だ。

窓を開けて、ファブリーズを部屋中に振りかけて、新聞紙で部屋をあおいで換気した。

看護婦さんのお陰で父のお腹も張りが無くなった。
でも、今白状すると、部屋に入ったときのぶーの臭いは私だったのです

結果オーライとしまひょか。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
看護婦さん (ひろりん)
2008-05-26 20:26:00
看護婦さんってすごいのお。そりゃ、おとうさんもお腹が張ってはお辛いでしょう。しかし、おっきいのをさせるテクニックがあるとは存じませんでした。ちっちゃいのなら管を通せばいいのかな。

どんな看護婦さんが働いているかによって病院の質がかなり違ってくるんでしょうね。あ、これは病院だけじゃなく、スーパーでもレストランでも学校でも同じかもしれませんね。
返信する
看護婦さんえらい! (ぞな)
2008-05-27 02:35:53
現場で患者と接する時間が100%の看護婦さんって本当にすごいですよ。
うちの父が入院している病院はとても質のいい看護婦さんばかりで本当に助かってます。
薬を使わずに痰を出す方法とか、便を出す方法とか、へえ~という事を経験からお知りになってて、感心します。
前線で働く方々によって患者は支えられおりますぞ。
返信する