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埼玉県比企郡嵐山町の記録アーカイブ

よりよい村にする為の具体的方策(鎌形・杉田二三雄) 1951年11月

2008年09月13日 | 報道・よりよい村にするために 1951年
 私達が事業を計画し之が具体化する場合いつも一大難関に逢着するのは資金面に於てで有る。如何なる名案賢策も資金の面を閑却し、その裏付がなければ一場の夢物語と化してしまふ。村の事業でも同じ事が言へる。
 扨(さ)て与えられたテーマと合致せぬかも知れないが、幸に私は日頃から雄大なる構想の下に理想郷建設の具体案を計画中で有るが、本村の現状では、勿論実現不可能な事で有り痴人の夢と冷笑される位が関の山で有るからその全貌は、後日機会を得て発表するとして、その一環たる、実現の可能性濃き二三を挙げてみな様の参考に供したい。
 先づ第一に公民館の建設で有る。本件については村議会の議題となってゐるやに仄聞(そくぶん)してゐるが一日も早く実現させてほしいもので有る。そしてこれが運営は識者にお委(まか)せしその成果を期待するものである。
 第二に甘藷を原料とする加工場の建設である。本村は県下でも有名なる甘藷生産村で有りながらも澱粉工場も酒精工場もなく、甘藷は原料用として比較的安価に売却される。加工場建設の場合は生産過剰の時でも商人に買叩かれる心配はなくなり農民の利潤は倍加されて農民の生活向上の為に村がそれだけ明朗になる。
 最後に希望するところは全村各字に一個又は数個の電話の架設で有る。殊に鎌形将軍沢遠山等は、役場、農協等より遠く離れて居る為に、電話で事足りる簡単な用件でも一々出掛けなければならず農繁期や悪天候の時は非常に困難する。又電話は、防犯、防火や病気の時の保険衛生上にも火急の場合利便この上なく、利用範囲も広いものです。
 電話の架設により連絡は緊密となりスチーム村政は自ら実現する。以上三件とも実現の可能性濃きとは言ひ乍ら冒頭に述べたように、莫大なる資金が必要で有り又法規其の他細部の点は考慮してない。然し一つでも実現すれば理想郷へ数歩前進する事は信じて疑はない(25歳)。
     『菅谷村報道』17号(1951年11月10日)掲載


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