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齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

擔雪填井(ゆきを にのうて せいを うずむ)

2017年01月10日 | 今月の言葉
本年もよろしくお願いいたします。


一年の計を立てるに当たり、

あまり、真面目で、結果を想定した、面白くもない計を、

お立てになられるのは如何かと思い、

無功用(むくゆう)、無功徳(むくどく)の世界の美しさを

少しでも知って頂ければと存じ、「擔雪填井」をとりあげました。

なかなか、凡夫には上手く説明できませんでしたが、

少しでも、此の語を味わっていただく端緒になればと存じます。




擔雪填井

読みは『雪(ゆき)を擔(にの)うて井(せい)を填(うず)む』
「擔」は「担」の旧字です。

意味は『雪を運んで井戸をうずめる』ということです。

常識で考えれば

「雪をいくら井戸に放り込んでも井戸は埋まらない。愚行である。」と

一笑に付されそうな行為であります。

徳雲という高徳の方の、衆生済度のための愚行に徹し尽くした行いを

示した語といわれますが、ここは我ら凡夫にとっての語として捉えて

みましょう。



日々の我々は合理性や効率を求め、成果を重視します。

しかし、この世には報われないことや成果の出ないことは山盛りあります。

だからといって、課題に対し、「ムズイ」「ムリ」と

早々に棒を折ってしまっていいのでしょうか。

それでもトライし続ける姿にこそ「人の"一心"の美しさ」を見るのでは

ないでしょうか。



この語は「成果が出ない、叶わない、報われないと思う事柄でも

永遠の課題として一心に取り組むこと」と受け止めてみようではありませんか。


一年の計を立てる時、このような観点も取り込んでみてはいかがでしょう。


お知らせ

一日 午前中 年賀受け

二日 祈祷諷経

三日 配札(年始廻り)

七日 節会

十四日 初観音

平成二十九丁酉睦月


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