齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

竹影掃階塵不動(ちくえい かいをはらって ちり どうぜず)

2017年08月31日 | 今月の言葉
ご来訪ありがとうございます。

暑い暑いと言ってましたが、九月の声をきくようになりました。

皆様、夏バテ大丈夫であられますか?

「暑さ寒さも彼岸まで」といいます。

今しばらくのご辛抱?!

さて、今月の言葉は

「竹影掃階塵不動(ちくえい かいをはらって ちり どうぜず)」です。





今月の言葉

「竹影掃階塵不動」

(ちくえい かいをはらって ちり どうぜず)

月に照らされた竹葉が

堂宇の階段にその影を映し、

涼風が吹いてその葉影が

箒の先のように階段を掃く。

しかし階段にある塵は

少しも動かない。

この句は

「動」と「静」の

自然界における絶妙な

「無心」の融合を示し、

跡を残さず、こだわりのない世界を

美しく謳っている。



妙心寺の開山、無相大師は

没消跡(もっしょうせき)の方で、

他の高僧のように

語録や著作物も残されず、

揮毫されたものも殆ど無く、

遺命で頂相(肖像画)も

描かされなかったという。



私たちは、日々の暮らしの中で、

何か成果を残そうと

こだわりを持つ。

すると心は重くなり、

波風が立ちっぱなしとなる。

そのくせ、

ふっと後ろを振り返ると

空しいものが去来する。

また、

こだわりの故に目的が

ブレてしまう事もある。



そろそろ

「こだわりを捨て、サラッと生きる」ことに

目を向けることが必要ではないだろうか?

ただし、

世間と隔絶した生活をするのでなく、

一生懸命に

他とかかわって生きての上での

「サラッと」であるから難しい。



さぁ、どうするかだ。


お知らせ
二十三日 午前九時 
  秋季彼岸施餓鬼会



平成二十九丁酉長月