齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

9月のことば「掬水月在手(みずをきくすればつきはてにあり)」

2013年09月08日 | 今月の言葉
9月に入ったとはいえまだまだ暑いですね。
でも油断すると急に寒くなったりして体調を崩したりするので要注意ですね。

さて今月のことばです。

今月のことばは
「掬水月在手 水を掬(きく)すれば月は手に在(あ)り」

中国、中唐の詩人、于良史(うりょうし)「春山夜月」の一節です。

水面に浮かぶ月はただ一つ。
だが、その水を手で掬(すく)うと、掬(すく)い取った掌中の水面にも月が見い出せる。

この句はいろいろと読めます。

遠くにある月も水を手に掬(すく)うという行為により我が掌(てのひら)の中の僅かな水面に映すことができる。

つまり、努力により遠くの目標も入手できる

あるいは、

月を真理と見做(みな)して、精進により気づけば一人一人の中に真理は共にある


しかし、私は、掌(てのひら)に掬(すく)った水に映る月と、それを見る吾とが一つになっている心境。

ここのところをこの句では味わいたいとおもうのです。

今年の中秋の名月は九月十九日となるそうです。

晴れることを望みたいものです。


お知らせ

九月二十三日(祝)午前九時より 齢仙寺 秋季彼岸 施餓鬼会

平成癸巳長月