齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

達磨忌

2012年10月08日 | お寺の行事
10月5日は達磨忌です。

お釈迦様から数えて二十八代目にあたり、中国禅の始祖である菩提達磨の命日です。

だるま図をおまつりし、大師の教えを実践し、後に伝えることを誓います。

齢仙寺では、今年は7日に行いました。

おまつりしただるま図をご紹介します。

上の写真は狩野永納

次が越堂


最後にご紹介するのが藤野正観
齢仙寺の檀家さんで、住職の同級生になります。
京都で楽詩舎という仏画工房を主宰されています。


達磨忌の前にご紹介できればよかったですよねf(^^;)

10月のことば 月白風清(つきしろくかぜきよし げっぱくふうせい)

2012年10月08日 | 今月の言葉
急に寒くなりましたが、おかわりありませんか?

遅くなりましたが、今月のことばです。

少しむつかしいことばが続いていますでしょうか?

お気軽におたずねくださいね。


今月のことばは、

「月白風清(つきしろくかぜきよし げっぱくふうせい)」

中国宋代第一の詩人であり、書家でもある蘇軾(そしょく)※1の「後赤壁賦(こうせきへきのふ)」の一句です。
※1 蘇東坡(そとうば)ともいう。

文字の表現だけみれば、

秋の夜、空を見上げるとこうこうと月が輝き、秋の虫が鳴く薄野を爽やかな風が吹き渡る。

そんな様が得難い素晴らしい景色だと詠いあげています。

いろいろあってくたくたになった一日、仕事が終わってふっとこのような景色に出会って、我がこころが救われ、リフレッシュできる景色

と、とることもできますが、

実はそんな時、月も観ている自分もなく、風を感じる自分もない、月も風も自分も全てが一体となっている

そんなこだわりのない境地を示す禅語として、この語はよく揮毫※2されます。
※2 筆で文字などをかくこと

私たちは日常生活の中で人目や損得、本音と建て前などに心を右往左往してストレスを積み重ねます。
結果、自分は何なの?もっと楽になりたいなどと願うようになるのです。
そんな振り回され続けている自分を捨て去り、「月白風清」の人生をどう送るか。

我々凡人にはハードルは高いですが、忙しい毎日、時には「月白風清」という語を思い起こしてみてはどうでしょう。