齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

9月のことば 「渓声(けいせい)」

2015年09月22日 | 今月の言葉
すっかり9月も半ばを過ぎてしまいました。
もう明日は彼岸会です。
9時からですので、お参りください。

さてブログへののアップがほんとに遅くなって申し訳ありません。
今月のことばです。

今月のことばは、

「渓声(けいせい)」

谷川の水音のことです。

山に入り、この水音を聴く時、あなたはどのように受け止めますか?

この語は

渓声便是広長舌 渓声すなわちこれ広長舌(こうちょうぜつ) 
山色豈非清浄身 山色(さんしき)あに清浄身(しょうじょうしん)にあらざらんや
夜来八万四千偈 夜来(やらい)八万四千の偈(げ)
他日如何人挙似 他日いかんか人に挙似(こじ)せん)

からの語です。

時代は日本の平安末期、蘇 軾(そ しょく)即ち中国北宋代の
政治家、詩人、書家であり、東坡居士(とうばこじ)と号した蘇東坡(そとうば)の
悟った時の心境を示した句といわれます

大意は

「谷川の水音は仏様のお説法、山はみ仏のお姿、多くの法を説いていただいているが、どうやっても他人に説明することはむつかしい」

というところでしょうか。

さて、日ごろ、バタバタと過ごしている私たち。

止まれ! 見よ!

この語は「谷川の水音に大いなるものが歴然と現れている」と言いいます。

山川草木におおいなるものを感じ取れる、ピュアな自分を取り戻してみようではありませんか?

一日一度、静かに坐って体と呼吸と心を調えてみませんか。

お知らせ
九月二十三日(秋分の日) 午前九時 秋季彼岸会

平成二十七乙未長月