齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

7月のことば「三省(さんせい)」

2014年07月17日 | 今月の言葉
すっかり7月も半ばになってしまいましたが、今月のことばです。


今月のことばは、

「三省(さんせい)」

三省とはたびたび自己の行動を振りかえりみること

論語の学而編に孔子の弟子、曾子の言葉があります。

吾日三省吾身。為人謀而不忠乎。與朋友交而不信乎。傳不習乎。

読みは、
「吾れ日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか。 朋友と交わりて信ならざるか。 習はざるを伝へしかと」

人のためにあれこれと手段を講じた時、

○正直に裏表なく行動したか
○交友関係において友情厚く誠実であったか
○真理を教わって十分に咀嚼していないのに、さも達観したように他人に伝えて混乱させていないか

曾子は他者との交わりの中に、自分の立ち位置を絶えず省みてみることを説いています。

今日、ついつい過ちを犯して反省というが、そんな反省は往々にして他者への対応の姿勢であり、一過性のものであることが多く、性根に迫っての継続性や反復性がありません。

ここでの三省はそんな軽々しいものでなく、真に噛みしめたい言葉です。


お知らせ

七月二十日(日) 午後二時 齢仙寺 観音講