齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

10月のことば 「三省(さんせい)」

2015年10月04日 | 今月の言葉
みなさまこんにちは。
今月は上旬の間にアップできました(^^;)
すっかり秋めいて、風邪をひいている方が増えてきているようですが、おかわりございませんか?
体調には気をつけて、行楽の秋を満喫してくださいね。

さて、今月のことばです。
今月のことばは、

「三省(さんせい)」

「論語」学而(がくじ)編に、
孔子の弟子である曾子(そうし)の言葉として

『吾日三省吾身。為人謀而不忠乎。與朋友交而不信乎。傳不習乎。』
(吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝えしかと)

というのがあります。

「私は、人の為に行動し正しい真の心があったか、交友関係において信義を欠いていないか、師匠から教えられ習得が十分でないのに人にしたり顔で教えていないかを毎日三回省(かえり)みている」

という意味でありましょう。

誰が附けたか不明ですが、
註(説明)には、「(これらのことが)あればすなわちこれを改める」とあります。
ここが肝要でしょう。


さて、私たちがよく唱える「懺悔文(さんげもん)」の中に

「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」

という句があります。

貪(むさぼ)り・怒(いか)り・愚(おろ)かさをいい、心の三毒と仏教ではいいます。

貪(とん)は満足を知らず際限なく求めること。
瞋(じん)は自分中心の言動に障りになるものに腹をたてること。
癡(ち)は物事の道理を正しく弁(わきま)えないで軽挙妄動するような愚かさ。

です。

貪も瞋も癡から来るものであるともいえます。

「論語」の示す事柄の「三省」も大事であるが、この「貪・瞋・癡」を三省することが私にとって大切かと痛感する日々です。

お知らせ
十月四日 齢仙寺 達磨忌

平成二十七乙未神無月