齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

縁起

2018年01月17日 | 今月の言葉
本年も宜しくお願いします。

インフルエンザが流行りかけています。

ご注意ください。

更新が遅くなりましたが

宜しければご高覧ください。


さて、今月の言葉は「縁起」です。





今月の言葉
縁起



歌舞伎の「三人吉三」の

「こいつは春から縁起がいいわい」

で有名である。


「縁起」は辞書に依れば

「吉凶の前兆」や

「社寺が建立された由来」

という意味をもつ。

しかし、

茶柱が立っただけで

受験に合格するであろうか。

お節料理で「黒豆」を食しただけで

病気に罹らないであろうか。

人情として、

人生一寸先は闇だから

何かに縋りたい気持ちは分かる。



仏教では

基本的に神羅万象すべてのものは

「縁によって生じ

 縁によって滅する」

と捉える。

よって瞬間、瞬間の

「今」が「因」となり、

私たちの思慮の及ばぬ

「縁」により

「果」が生じる。

そしてその「果」が

次の「因」になる。



難しいことだが、

大切なのは

「おまかせ」の中で、

「有為転変」の順逆の「今」を、

「縁で与えられたこと」と

抗うことなく

受け止めることである。

そして次の「因」になる「今」を、

精一杯悔いなく過ごすことが

大事では無いだろうか。



小衲、今年の年始廻りは

雪に見舞われ難渋した。

年明け早々

ひどい風邪をひいて長く寝込んだ。



まさに

「こいつは春から縁起がいいわい」

である。


お知らせ

一月七日 節会

一月十八日 午後二時 初観音

平成三十戊戌睦月